農業共済新聞

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2019年2月2週号
農作業で自立支援 - 県立稲川支援学校
 【湯沢市】湯沢市の県立稲川支援学校(佐藤博司校長)では、授業の一環として実際の職場(事務所等)で働く「現場実習」や、地域と連携して行う「作業学習」「生活単元学習」などを実施。中でも高等部農耕班が地元業者らと連携して製造・販売する加工品類が人気商品になっている。

 これら授業は、高等部の生徒らが将来の生活に必要な知識・技能・態度を養うために行っている。作業学習では各作業班に分かれ、草木染め製品や農産物の加工品、「エコポット(新聞紙原材料の鉢)」などを製造。校内や地域のイベント、地元スーパーや道の駅、観光施設などで販売する。

 1~3年生の生徒8人が所属する農耕班では、地域の農家から借り受けた農地に、ダイコンやアズキ、トウモロコシなど多数の野菜を栽培。また、地域のリンゴ農家から木を借りて、リンゴ栽培について学んでいる。栽培期間中は管理作業が主な授業となる。担当の佐藤教諭は「秋には雄勝野きむらやさんにいぶりがっこ用として400本のダイコンを納品した」と話す。
 冬期間中は収穫した農産物を使った加工品や、関連する工芸品類を作る授業を行う。今年度、地元の加工所と連携して製造する商品は「大根のピクルス」「小豆とリンゴのペースト」「いぶりがっこピクルス」(以上あお葉フーズ製造)「いぶりがっこ」(雄勝野きむらや製造)「リンゴジャム 清明」(なるせ加工研究会製造)。佐藤教諭は「昨年秋に羽後町の道の駅うご端縫いの郷からお話をいただき、本格的にジャム類やピクルスの陳列を始めた」と話す。POPを工夫してからは少しずつ認知され売り上げも伸びてきた。道の駅以外にも、イベントをはじめ地域のさまざまな所で商品を販売する。「昨年稲庭城(観光物産館古舘庵)で販売したいぶりがっこピクルスは好評だった」と力を込める。

 この他、作業学習では加工食品に付けるラベルの準備や、ラベンダーのサシエ(香り袋)の製作、いぶりがっこに使うためのダイコンを洗うアクリルたわしを製作する。
 「生徒たちは、農作業をすることで自然と体力や持続力を養っている」と佐藤教諭。「自分が育てた農作物が生長して収穫することの喜びを学び、調理や加工、販売されていくプロセスにやりがいを感じている」と話す。
次号をお楽しみに!