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2019年4月2週号
ホウレンソウで地域を活性化 - 加藤篤徳さん

 【美郷町】ホウレンソウを周年で手掛ける、美郷町千畑の加藤篤徳(あつのり)さん(46)。土壌や温度に気を配りながら、良品質のホウレンソウ栽培に力を入れる。また、JA秋田おばこほうれんそう部会の部会長も務め、地域活性化の一翼も担う。

 加藤さんは、水稲とホウレンソウの複合経営をしていた両親が6年前に体調不良で引退したことから、勤めていた会社を退社し就農した。
 当時は両親が営んでいたビニールハウス2棟でホウレンソウを栽培していたが、収入面で満足できないところもあり、周年での収穫を目的として、現在は12棟530坪まで規模拡大した。品種は「イーハー7」「プリウスベータ」「トラッド7」。いずれも収量性が良く、大葉で茎が太くしなやかで、扱いやすい品種だという。
 栽培する中で特に土壌に気を使う。加藤さんは「どの農作物にも言えることだが、良い土作りが良質な物の収穫に繋がると思う」と話す。化学肥料に頼らず完熟堆肥を多量に使い、良質な土壌コンディションになるように努める。また、土壌診断を有効に使い、適正なpHや電気伝導度(EC)を保つようにしている。
 ビニールハウス内の温度管理には苦労するという。周年栽培のため、冬期間の厳冬の時期や夏場の酷暑の時期は特に温度に気を配り、良質なホウレンソウの収穫ができるよう心掛けている。

 地域の学校給食にもホウレンソウを提供する。「自分が作ったホウレンソウを食べて『おいしかった』と言ってもらえるのがとてもうれしい」と加藤さん。また、JA秋田おばこほうれんそう部会の部会長も務め、管内の部会員120人との情報交換も行う。

 JA秋田おばこ園芸指導員・ほうれんそう部会担当の門脇丈(じょう)さんは、「加藤さんは勉強熱心な方。部会員の中でも若手だが、120人をまとめるリーダシップには脱帽する。栽培の面も合わせ、今後も期待したい」と話す。
 「大きな気象変動にも左右されないホウレンソウ農家になることが目標」と加藤さん。「そのためにもっと経験を積み、見聞を広めレボリューション魂で邁進していきたい」と意欲を見せる。
次号をお楽しみに!