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2019年10月2週号
KSASで作業効率化 - (農)イカワ改拓社
 【井川町】受託を含めて52・6㌶で水稲を中心とした作付けを行う、井川町今戸の農事組合法人イカワ改拓社。地元農家の助けを借りつつ、圃場管理システム「KSAS」の導入で作業効率化につなげている。

 浅野博明代表理事(39)は県内企業で鉄鋼制作・検査に従事していたが、父親が亡くなったことを機に、兼業で農業に携わった。父親が残したメモや地元農家の教えからノウハウを学び、2年後に就農。地域で開催された集落営農組織の法人化勉強会で出会った4人とともに、2016年に法人を立ち上げた。

 現在は、水稲50㌶(内8㌶が直播)をメインに、ネギや大豆も栽培。特に水稲は、殺虫農薬に含まれるネオニコチノイド系農薬の使用を抑え、草刈りなどでカメムシの被害が起きないように気を配る。
 また、同法人では17年に株式会社クボタが提供するKSAS(ICT)を取り入れた。圃場ごとの作業や作物の情報などをサーバーに収集。点在する圃場で別々に作業していても、携帯端末を活用することで他の圃場の作業進捗情報を共有できる。
 KSAS対応の農機具も販売されていて、法人では乾燥機を導入。乾燥機内の米や水分の量などの情報も瞬時に判明するため、圃場で稲刈作業を行いながら乾燥機の空き容量が把握でき、刈取したのに乾燥機に容れる事ができない、という状況を回避できる。
 浅野代表は「作業日誌の作成や、圃場の場所を地図で管理することもできる。作業効率の向上につながり、助かっている」と話す。

 「うれしいことに、受託面積が毎年約5㌶ずつ増えてきている」と浅野代表。その分、水管理や除草作業に手間が掛かるが「地域の皆さんから励ましの声をいただいたり、栽培のコツを教えていただいたりするので感謝している」と話す。
 「『農業で地域を支える』と考えるとプレッシャーになるので、自分たちが一歩一歩成長することで、地域への恩返し、ゆくゆくは支えになれば」と話す。
次号をお楽しみに!