農業共済新聞

トップ > 広報活動 > 農業共済新聞 2020年1月3週号
2020年1月3週号
安全で新鮮な卵を - 東海林養鶏場
 【横手市】横手市平鹿町上吉田の東海林養鶏場(東海林肇代表=56歳)では、「安全・安心・新鮮な卵の生産」と「地域住民との共存」をモットーに、鶏の環境や飼料に配慮した卵の生産・販売を行う。また、地域で発生するもみ殻を再利用して堆肥を製造し、耕畜連携にも取り組んでいる。

 同養鶏場の創業は1952年。東海林代表は25歳のときに家業を継ぎ、現在、従業員10人で4万4千羽を飼育する。
 「農場の周辺は住宅地なので、環境問題は最優先事項」と東海林代表。臭いの発生を防ぐため、ヨーグルト粉末を飼料に混ぜ鶏の腸内環境を整えるなど工夫を凝らす。鶏舎が空くと必ず水洗・消毒を行って常に清潔を保ち、「農場内に臭いやハエの発生はない」と胸を張る。
 与える飼料や規格の違いによりさまざまな商品を販売するが、中でも「至福のたまご 黄身の余韻」は試作と試食を繰り返し、発売まで3年をかけた自慢の一品。同養鶏場オリジナルの飼料とEM活性水で育った「こまち美鶏」の卵で、「『他の卵が食べられなくなった』と、リピーターになるお客さんが増加した」と話す。
 地域の農家から回収したもみ殻と鶏ふんを攪拌し、EM菌と木酢液を添加した「EMもみがら堆肥」も製造する。昨年は農場での引き渡し限定で約1万5千点を販売した。長く使用すると土が柔らかく水はけが良くなるなど、土壌改良剤としても有効だという。
 卵は地元道の駅や直売所の他、県南地域のホテル・飲食店や通信販売でも提供する。また、30年以上サルモネラ菌の検出がないことから、医療機関への納品も行っている。
 同養鶏場ではSNSを活用した情報発信に加え、昨年は農場の看板とのぼりの設置、東京で開催される料理教室への卵の提供など、新規顧客の開拓を行った。東海林代表は「今後も消費者に近づけるような商品PRを行い、弊社の卵のファンを増やしていきたい」と意欲を見せる。
次号をお楽しみに!