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2018年4月2週号
JAの花き園芸部門をけん引 - 沼園芸

 【羽後町】「花き日持ち品質管理認証制度」の認証をいち早く取得した、JAうご花き園芸部会(佐藤隆敏部会長)。羽後町鵜巣の沼園芸は、部会の中でも中心的な役割を果たす。

 同制度は花き業界全体の日持ち性向上に対する意識を高め、消費者へも花きの品質をアピールして消費拡大を目指す目的で作られた。JAうご花き園芸部会では一体となり、花きの鮮度や品質管理の徹底と、高品質なものを消費者に届ける事を常に意識しながら栽培管理をしている。

 沼園芸は佐藤義和さん(60)が妻と息子の裕人さん(31)と共に経営。転作田に設置したハウス15棟(1100坪)や露地栽培の小菊などで、周年出荷をしている。
 施設で手掛ける花きは6種類。ラナンキュラスを12月中旬~4月末、フリージアを3月中旬~4月中旬、カンパニュラを3月下旬~5月末、スターチスを5月下旬~7月末、スプレー菊を7月上旬~9月末、クジャクソウを10月~11月の流れで栽培し、ほとんどを地元JAに出荷する。
 義和さんは「以前は冬期間に安定的に出荷できる花きが少なかった。2年前から栽培を始めたラナンキュラスは暖房費があまりかからず、導入後は経営が安定した」と話す。

 裕人さんは高校の農業科を卒業後、県の未来農業のフロンティア研修を経て就農。10年を超え、来年からは地元で稼働するメガ団地に参加する。「ハウス8棟でスプレー菊とカンパニュラの体系での経営を計画している」と裕人さん。農業に興味のある若い人たちに農業体験ができる場を提供したいとの思いから、作業員としての受け入れをしている。メガ団地稼働後はインターンシップのような形も取り入れながら、就農のきっかけを手助けできるような経営を目指す。

 沼園芸は義和さんの先代の頃から花きを栽培してきた地域の先駆者で、花き園芸部会の中でも最大規模の花き農家だ。部会の佐藤会長も「裕人君は来年からメガ団地での経営を始めますが、おじいさんやお父さんのように地域のリーダーとして頑張ってもらいたい」と期待を寄せる。
 義和さんは今後に向け「現在の規模を維持しながら安定した生産を引き続き行っていきたい。地元の若い人たちが、自分や息子を見て就農したくなるような経営を実践していきたい」と意欲的だ。
次号をお楽しみに!