農業共済新聞

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2020年7月1週号 和牛生産①
一貫経営で放牧場所有 - 湯瀬佳和さん
 鹿角市十和田大湯で繁殖和牛23頭、肥育和牛47頭の一貫経営をする湯瀬佳和さん(43)父・英克さん(71)と弟・公郎さん(41)の親子3人で、牧草2㌶を栽培しながら畜産業を営んでいる。
 佳和さんは、日中に県畜産農業協同組合で勤務し、朝と夜に牛舎で働く。繁殖と肥育を全体的に手掛けながら、経理関係も受け持っているという。英克さんは人工授精と肥育、公郎さんが繁殖と牧草管理を主に担当している。
 農業歴20年の佳和さんは、「実家が農家だったので自然に就農した」と話す。初代が山を開拓して入植し、現在は3代目となる。最初は乳牛だったが、日本短角種から黒毛和種とシフトしてきた。
 初代が開拓した放牧場に、6月から10月まで繁殖牛と子牛を全頭放牧する。「放牧すると牛が元気に運動し、牧草をよく食べるので発情を見つけやすくなる」と話す。ベテランの家畜人工授精師でもある英克さんが種付けするという。
 一貫経営について「牛が産まれてから出荷するまで牛舎が同じなため、ストレスがたまりにくい」と説明する佳和さん。逆に、「種付けから出荷まで4年かかるので、収入を得るまで時間がかかるところがデメリットかな」と話す。
 佳和さんのモットーは、「人を育てることが牛を育てる」。人を育てるように手間を掛ければ良い牛に育ち、牛を育てる人が育てば良い牛になるという意味で、県畜産農協の上司から教わったという。
 今後の目標は「100頭くらい増やしたいが、牛舎の設備投資が必要なのでリスク管理は慎重に行いたい。まずは今いる牛の手間暇を惜しまず収益性を上げていく」と意気込む。
次号をお楽しみに!