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2020年8月3週号
大玉トマト トロ箱養液栽培システム「うぃずOne」 - 斉藤誠さん

 JA全農が開発したトロ箱養液栽培システム「うぃずOne」を使い、大玉トマトを栽培する湯沢市の斉藤誠さん(50)。昨年、JAこまちのメガ団地に参入し、ハウス12棟960坪で「桃太郎8 エイト」と「桃太郎ワンダー」を手掛ける。

 斉藤さんは兼業農家に生まれ、高校卒業後は、市内の酒蔵に勤めながら水稲と
アスパラガスを手掛けていた。2016年に専業農家を目指して退職。羽後町の
農家の下でアルバイトをしながら、トマト栽培の技術を習得した。
 「アルバイト先で、JAこまちのメガ団地構想を聞き、いち早く手を挙げた」
と斉藤さん。JAの先進地視察に参加し、大仙市の法人が使用しているうぃずO
neを見て、興味を持ったという。
 うぃずOneは、容量18㍑の発泡スチロール製ボックスに、専用培土を敷き詰めて作物を植える方法。ハウス内に並んだボックスには、液肥がドリッパーから一株一株へ点滴され、樹勢に応じて流量や時間の調整が可能だ。ドリッパーは電池で動かすので、大きな工事が不要で、総体的に安価で設置できる。

 マニュアルでは、灌かん水すいシステム1台で最大7系統まで対応するが、斉藤さんは4系統に1台設置。「最大系統数だと、短い間隔で注入したいときに追い付かなくなると思った」と説明する。また、「どんな作物も第一に土作りが大切というが、初年度から収穫成果が必要で土作りをする余裕が無かったので、システムを導入して良かった」と話す。

 ボックスの間隔は、他の法人などは1㍍から80㌢だが、斉藤さんは50㌢と密度が高め。さらに、2本立ての植え付けや斜め誘引などを行う。「2本立ての中でも、初めからの場合と側枝を使う場合の2通り実践し、斜め誘引は最初からしたり成長途中からしたりするなど、パターンを変えている」と話す。
 「JAこまちのトマト部会に入っているので、部会の防除暦に従っているが、
さまざまな独自の方法も試している」と斉藤さん。成果が出る方法を模索中だ
が、「いかに効率性の高い栽培管理ができるか追求しながら頑張りたい」と話
す。
次号をお楽しみに!