農業共済新聞

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2021年3月1週号
大森産米を増やして日本酒造り - 株式会社大納川
 創業(1914年)時の名称・備前酒造から、2019年春に変更した横手市大森町の「株式会社大納川」。地元産米の使用や製造過程の見直し、地元住民との関わりなどを通し、地域に密着した酒蔵を目指す。

 大納川は、田中文悟社長(44)が再建のため事業を引き継ぎ、現在社員5人で純米酒を製造している。社名は蔵で製造している日本酒の名前から取った。杜氏は備前酒造時代から25年間、酒造りの全工程を学んできた佐藤好直さん(50)が務める。
 田中社長は「地酒蔵を名乗るため、地元大森産米の使用量を増やした」と話す。「めんこいな」栽培を同町の農家1戸、「秋田酒こまち」を同じく8戸に依頼し、製品全体の約7割に使う。
 製造の過程を見直し、醸造アルコールを添加せず、水と米、麹こうじの素材に気を配る。さらに貯蔵方法をタンクから直接瓶詰に変更した。「タンクだと瓶に移し替える時、空気に触れて酸化するが、直接瓶詰めすると開封した時に出来たての品質を保っている」と佐藤さん。微炭酸がわずかに残っている点が同社製品の特徴になっているという。
 これらの取り組みが日本酒に表れ、20年度に県内の品評会や東北地区の鑑評会で多くの賞を獲得した。
 今冬の仕込みは昨年10月19日から始まり、4月末まで続く予定。1月下旬は寒造りのピークで、来年度の鑑評会に出品する大吟醸の仕込みに取り掛かっている。「今冬は気温が低く積雪量が多いため、酒がゆっくり順調に発酵している」と佐藤さんは話す。
 昨年、めんこいなを蔵元に提供した同町の高橋柳作さん(57)から「米を作るところから酒造りをしないか」と提案され、社員がJA秋田ふるさと大森青年部と米作りを体験。来年以降は酒蔵のファンを集めて、米作りを含めた一貫した酒造りにも挑戦したいと考えている。
 高橋さんは「地元の人間として、地域を盛り上げるために協力したい。さまざまな賞を受けて評価が高まっているので、全国一番の蔵元を目指して頑張ってほしい」と期待する。
 田中社長は「地域の特性を生かし、見直しや試行を通してより良い酒を醸していく。地元を引き込んで活動し、地域に寄り添った地酒蔵にしたい」と話す。
次号をお楽しみに!