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2021年5月2週号 農福連携の推進へ③
イチジク栽培に汗 - ㈱鳥海フォス
 にかほ市特産のイチジク栽培や加工品の販売、リサイクル事業などを行う同市畑の株式会社鳥海フォス(佐々木清勝代表取締役、81歳)。障がい者の自立と社会参加の促進を目指し、旧小出小学校校舎に事業所を構えて運営している。
 事業所は現在、就労継続支援B型事業所となっていて、利用者21人を受け入れ。管理スタッフ6人で運営している。
 「これまで18~67歳の方々が延べ64人利用してきた。全員真面目で、作業に集中して頑張っている」と齋藤康子管理責任者(55)。「農作業は障がい度や利用者の状況により難しい面もあるが、きめ細かい指導で理解度を深めることを心掛け、管理スタッフがジョブコーチとして一緒に作業する」と話す。
 栽培するイチジクの品種は、加工に適した「ホワイトゼノア」。スタッフが危険な箇所や複雑な作業について説明した後、安全面を確認し、肥料散布や除草、収穫などを行う。昨年は500本を管理し、約2㌧を収穫した。事業所で運営する畑地区の直売所「やまびこ」で加工用イチジクとして販売。収穫時期が近づくと発売日の問い合わせがあり、固定客が付いているという。
 また、湯沢市の株式会社あお葉フーズに「いちじくジャム」の加工を委託している。象潟、西目、十文字の道の駅などで販売し、好評だという。
 今後、事業所は冬季間の屋内作業が可能な水耕栽培を試みるなど、イチジク栽培に注力して、農福連携で地域の活性化と障がいのある人の自立支援を目指す。
次号をお楽しみに!