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2021年7月2週号 Aターンで農の夢実現へ③
美容師からダリア農家に - 三浦桐子さん
 岩手県の理容系専門学校を卒業後、美容師として約10年間働いていた三浦桐子さん(39)。農家の夫・光一さん(41)との結婚を機に、地元の秋田市河辺式田集落へ移り住み、ダリアの栽培に励んでいる。
 秋田に戻った際、耕作放棄地が多く、何かに利用できないかと考えたのが農業に興味を持ったきっかけだという。桐子さんは「美容師時代にブライダルヘアメークをした際、県外から発注された花の中に鮮度が落ちているものがあり驚いた。県産の新鮮な花を使用できれば見栄えが良いし、地産地消にもつながる」と思い、ダリアを栽培することに決めた。
 秋田市園芸振興センターで2年間の研修を経て、今年3月に新規就農。日本政策金融公庫からの融資と国の農業次世代人材投資資金などを活用し、安心して農業ができる環境を整えた。
 「研修で知り合ったJA秋田なまはげの古屋久勝ダリア部会長から栽培のアドバイスをもらい、試行している」と桐子さん。80坪のハウス2棟で栽培に取り組む。
 作付けるダリアは「NAMAHAGEノンチャン」や「NAMAHAGEノアール」「いちごラテ」「ムーンワルツ」「ポートライトペアビューティー」など34品種。最初に咲く1番花から3番花までを5月末から12月中旬に収穫、露地20㌃で作付けるものは9月から10月末に収穫する。

 「一年を通してこの面積でやっていけるか不安だが、品質の良い花を1本でも多く作っていきたい。丹精込めて作ったダリアを収穫する喜びは格別なもの」と話す。現在、主に地元の直売所や秋田市中通の「エリアなかいち」に卸しているが、将来的にはブライダル関係に広げたい考えだ。
 「以前、野菜の色素を使ってクレヨンなどの加工品を作っている情報を耳にした。ダリアの色素でも何かできないかと現在模索中。色鉛筆などを作れたら、とてもすてきだと思う」と展望を話す。
次号をお楽しみに!