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2021年7月3週号
ニンニクで独立就農2年目 - 小松知寛さん
 「自分をこれまで育ててくれた四ツ屋地区に恩返ししたい」と話す大仙市四ツ屋地区の小松知寛さん(30)。ニンニクを栽培して2年目で「持続可能な農業」の展開を目標に掲げながら、規模拡大を続けている。

 県外の大学に在学していた小松さんは、休暇中に帰省して実家の農業を手伝った際、「農業って面白い」「将来は地元四ツ屋で暮らしたい」と思い、卒業後に帰郷。稲作をサポートする形で農業に携わっていたが、実家の余っている畑を活用したいと考え、大仙市太田地区の東部新規就農育成施設で研修を受けた。
 さまざまな野菜栽培について勉強する中、特に興味を持ったのがニンニクだった。小松さんは「四ツ屋地区には伝統野菜の『石橋ごぼう』があり、良質な土壌を生かせる。実家の畑は、ナガイモやゴボウを栽培していたので、同じ根菜類だと間違いないと思った」と振り返る。
 5㌃から始め、今年は25㌃で栽培。秋ごろに植えたものを6~7月に収穫する。「試行している段階だが、読みが当たって良いニンニクが収穫できるとうれしい」と笑顔を見せる。
 県南地域で店舗を展開するスーパー「スーパーモールラッキー」では、小松さんのニンニクを扱う。担当する加賀谷亜久里さんは「皮をむいた時の香りが良い。味はきっちりしていて、においが残りにくいので、女性でも気にせず食べられる」と評価する。
 小松さんは農業を長く続けるため、ビジョンを描きながらニンニクを栽培している。「利益を上げるために技術力を高め、品質の良い商品を提供することを心掛けている」と話す。長く使える圃場にするため、化学肥料を減らして有機物を活用した土壌改良に取り組む。さらに、機械を導入して効率化につなげたいとしている。人と環境に良い農業に挑み、5年目で1㌶の栽培が目標だ。
 就農前、研修で小松さんを指導した木村一虎農業技術指導員は「今年の収穫が終わったことを報告してくれた。まじめで笑顔があふれる人柄と情熱で新しい経営に挑戦してほしい」と期待する。
 小松さんは「実家屋号の和三郎と掛け合わせ、“和三郎にんにく”と名付けてブランド化できたら最高」とさらなる高みを目指す。
次号をお楽しみに!