農業共済新聞

トップ > 広報活動 > 農業共済新聞 2021年11月4週号
2021年11月4週号
ジェラートで地場産の魅力発信 - ジェラテリアSHEETA
 横手市寿町のジェラート専門店「ジェラテリアSHEETA(小松太史代表=34歳)」では、地元で取れた野菜や果物などを使用した本格的な限定フレーバーのジェラートを次々に開発。農家から提供される旬の素材が「豊富で新鮮だ」と利用者から好評を得ている。

 これまで限定フレーバーになった素材は紫芋、玄米、イチゴ、ブルーベリー、スイカ、和ナシ、洋ナシ、リンゴなど。主に傷などで規格外になったが、味や品質に問題がない農産物を使用する。ジェラートは牛乳、生クリーム、グラニュー糖などを使用したミルクベースと、乳製品を使用しないシロップベースの2種類を用意。アレルギーに配慮して、どちらも卵は使用せず提供している。
 同店の小松代表は「素材の味が生きる量に糖分を調節しているのが商品の特徴。モモなど変色しやすい素材はシロップ漬けにするなど、見た目にも気を配る。反響が大きかったのはモモ、シュンギク、日本酒。この地域は本当に素材が豊富だと再認識した」と話す。
 同市平鹿町で水稲のほかモモ、スモモ、リンゴを栽培する柴田農園代表の柴田康孝さん(55)は「息子の妻が小松さんのお店の店員さんと知り合いで、モモとスモモを提供することになった」と言う。
 柴田さんは「規格外の商品は、直売に出す方法もあるが、モモなど日持ちしない果物は売り切るのが難しい。ジェラートに加工して生かしてもらえるのは、うれしいことだ」と話す。

 小松代表は、岩手県の人気ジェラート店「松ぼっくり」で、昨年8月から1年ほど研修を受け、ジェラート作りや経営のノウハウを学んだ。「バスターミナルを利用する学生が気軽に立ち寄れる店にしたい」と考え、2025年までに終了する横手駅前の再開発を見込み、同所に出店したという。
 「6月開店の予定が、イタリア製のジェラート製造機械の搬入がコロナの影響で間に合わず、8月にずれ込んだ。ちょうど暑くてジェラートがおいしい季節と重なり、予想以上のお客さんに足を運んでもらった」と開店時を振り返る。
 現在、ジェラートは店頭販売だけだが、12月をめどに通信販売で全国発送の準備をしている。また、季節の行事に合わせた催し物も検討中だ。
 小松代表は「クリスマスに向けて、子供向けに塗り絵のイベントを企画している。冬休み中には、家庭菜園などで収穫した素材を店内工房で手作り体験する企画も考えている」と意欲的に話す。
次号をお楽しみに!