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2021年12月2週号 自家産果実で加工品①
オウトウ・リンゴのジャム - 三関加敬農園
 湯沢市三関で水稲150㌃や果樹80㌃、冬期間はセリ18㌃を栽培する合同会社三関加敬農園(加藤敬悦代表社員、66歳、従業員5人)は、生産したオウトウやリンゴを使ったジャムの製造・販売を手掛けている。
 ジャムに使う品種には、オウトウは「紅さやか」と「佐藤錦」を使用。奇麗な紫色の紅さやかジャム、ぜいたくに佐藤錦だけ使った佐藤錦ジャム、多品種をバランスよく配合したミックスジャムの3種類を用意した。リンゴジャムは「つがる」「ふじ」など早生から晩生まで味のバリエーションが豊富。全て完全無添加で自然な味わいを楽しめる。
 「どちらのジャムも果肉の食感を楽しめるのがポイント」と加藤代表社員。甘過ぎず口の中でゆっくりと広がり、優しい甘さの中に、ほんのりと酸味を感じるバランスの良さが特徴だ。「中でも『ふじジャム』が一番のお薦め」という。
 加藤代表社員は「リンゴやオウトウの出荷選別の際、少しの傷や変色でも規格外となる。訳あり品を店舗でも販売するが、時間が経過すると傷んで廃棄に回る果実は相当数になる。どうにか利用できないか」と考え、ジャム作りを始めた。
 今年10月にオープンした直営店「KAKEI坊や」でも販売して近隣住民から注目を集める。農産物販売のほか、週末限定のクレープやコーヒーなどのテークアウトが人気という。来店客の一人は「気軽にお茶が楽しめるだけでなく、農産物のほか、大人から子供向けの雑貨があるので、休日に子供と散歩をしながら立ち寄っています」と話す。

 店は加藤代表社員の娘・智子さん(39)が従業員2人で運営。冬期間はセリ栽培とともに、同農園の従業員が働くことができ、通年雇用を支える場としての役割を持つ。智子さんは「両親と共に農業をする中、店に立ったとき、お客さんの声が聞け、笑顔が見えることに楽しさを感じた」と話す。
 加藤代表社員は「今後はさらにおいしいジャムを目指し、多くのお客さんに届けたい。インターネット販売や、ふるさと納税にも挑戦したいが、そのためには、もっと勉強しないといけない」と意欲を見せる。
次号をお楽しみに!