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2019年9月2週号
ブルーベリー6品種栽培 - 後藤保さん
 【横手市】「後藤果樹園」を営む横手市増田町戸波の後藤保さん(51)。代々続く果樹農家の生まれで、父の俊夫さん(76)とリンゴ55㌃、和ナシと洋ナシ10㌃を手掛けるほか、水稲40㌃を作付ける。10年ほど前からブルーベリーも栽培し、今では複数の飲食店で使用されるなど、品質の良さが評価されている。

 保さんは「元々は桃を栽培していたが、ネズミに樹をかじられたことから、被害がほとんどないブルーベリーに注目した」と栽培のきっかけを話す。現在は2カ所の園地合計10㌃で、「あまつぶ星」や「チャンドラー」「スタンレー」など、6品種約500本を栽培する。
 ブルーベリーは酸性の土壌を好むため、土壌改良材のピートモスを使い、ブルーベリーに適した土壌作りを行う。また、「収穫の際に屈んで腰に負担がかからないよう、身長に合わせて花芽をつける場所を決めている」と剪定の工夫を話す。
 果実の付け根部分に黒いリングが現れるのが収穫適期のサインで、大きいものでは500円玉サイズまで成長する。園地では収穫の時期がずれるよう早生品種から晩成品種を順に配置し植え付けをしているが、「今年は春から気温が高かった影響で、収穫適期が一度にきて大変だった。なかなか計画通りにはいかないね」と苦笑いする。
 農薬は春先に葉が生えてきた際、ハマキムシ等の害虫を駆除するために1回のみ使い、花が咲いてから収穫までの間は使用しない。そのため果実に食害が見られることもあるが、「直接口に入れるものだから、手のひらの上で丁寧に選果をするように心掛けている」と手間を惜しまない。

 3年前からは、湯沢市にある駒形保育園の園児の摘み取り体験を受け入れている。「摘み取り体験の後で、園児たちから『おいしかった、楽しかった』と感想が書かれた手紙をもらったよ」とほほ笑む。
 今後は「片方の園地を摘み取り体験ができる完全予約制の観光農園にしたい」と保さん。来年のオープンを目指し、「SNSを活用した情報発信にも取り組んでいければ」と意気込む。
次号をお楽しみに!