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あきた版6月3週号
収穫直前のスイカ水没 - 皆川勝雄さん

 横手市雄物川町谷地新田でスイカ1・3㌶とホウレンソウ22・5㌃、ミニカリフラワー20㌃を栽培する皆川勝雄さん(68)。収入保険には制度開始の2019年から加入し、これまでに2度、保険金等を受け取った。
 大玉は「あきた夏丸」、小玉は「あきた夏丸チッチェ」を手がける。小玉の苗はビニールハウス内に4月上旬に定植。大玉は露地に4月下旬に定植するが、今年は低温が続き、作業が遅れたという。
 小玉は7月上旬に出荷し、大玉は7月下旬を予定。遅出しは8月いっぱいの出荷を目指す。1人で農作業に従事し、スイカの収穫時にパートを5人雇用している。
 昨年7月下旬の大雨で大玉スイカの圃場が冠水し、通常の3分の1の収量となった。「収穫期に入ったところで激しい雨が降り、水没した。受け皿から外れた玉も多く、農薬を散布するもつるが枯れてしまった」と振り返る。事故防止のため設置していたポンプを3台使っても、排水が追い付かなかったという。つなぎ融資を申請し、その後、保険金等を受け取った。
 皆川さんは収入保険の導入以前は、野菜価格安定制度に加入していた。04年からは2年連続でスイカの圃場が冠水。降雨後は排水に努め、農薬を散布す
るが、べと病などの病害が発生してしまうこともあった。減収した際は自助努力で賄ったり、JAから借り入れたりしていた。補償の幅広さに魅力を感じ、収入保険に切り替えた。
 加入後の21年には、高温少雨でスイカの根が張れず収量減少。保険金等が支払われ、翌年の安定経営につながった。近年の猛暑を考慮し、現在、台木は暑さに強い「FR不死鳥」を使う。
 今年は小玉の4個入りを650ケース、大玉は2個入りを5千ケース出荷する予定だ。「過去5年間の平均収入が下がってしまったため、以前の売り上げに戻したい。万博開催で関西方面の需要の高まりにも期待している。高品質なスイカを生産し、売り出したい」と今後の目標を話す。
次号をお楽しみに!