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あきた版10月1週号
元地域おこし協力隊3人が果樹園継承 ナシ産地守る - 合同会社やっほーfarm



 八峰町の元地域おこし協力隊の3人が今年2月、合同会社やっほーfarmを設立し、同町峰浜水沢の果樹園を引き継ぎ、ナシ59㌃の栽培に取り組む。さらに、空き店舗を活用した直売所を開店予定で、地域からの期待も大きい。
 ナシを主体に栽培する「笠原果樹園」を継承したのは、川崎市出身の越前谷淳さん(38)と、能代市出身の山田勝さん(36)、菜々子さん(37)夫妻。3人とも神奈川県から移住し、協力隊在任中に農業に関わった経験から就農を志望した。ナシ栽培を志した勝さんが園主に就任。園地で直売する他、県内外へ贈答用のナシを届けている。
 前園主の笠原吉範さん(68)は「毎年来てくれるお客さんの顔を早く覚えてもらいたい。笠原果樹園という名を残して継承できたことがうれしく、経験で得た技術をどんど



ん教えていきたい」と喜ぶ。
 さらに、同町八森地区に直売所を開店する予定で、地域住民からは心待ちにする声が寄せられている。加工場を併設し、ナシを使ったジャムやジュースを販売する計画だ。菜々子さんは「いつかナシを使ったお菓子も作りたい」と話す。 
 一方、産地化を目指す薬用作物のPR活動に菜々子さんが協力隊で携わったことから「カミツレ(カモミール)」の栽培にも力を注ぐ。イベントに出店し、手摘みの花を乾燥させたカモミールティーも販売している。
 今年は天候不順に悩まされた同園。5月上旬のひょう害や今夏の記録的な雨不足で、ナシの大きさや見た目が心配された。勝さんは「小玉傾向が続いたものの、収




穫期になってから大玉が増えた」と安あん堵ど の表情を浮かべる。
 暑さや寒さの中での作業は苦労が多く、生育が天候に左右されることが一番つらいという。同園の過去実績を引き継ぎ、同社は収入保険に今年加入。経営努力だけでは避けられない収入減少に備える。同社代表社員の越前谷さんは「経営移譲に伴って継承した収入保険は、精神的な安心材料になっている」と話す。歴史ある園地を受け継ぐ責任の大きさを感じているという。
 越前谷さんは「会社の色も取り入れながら『峰浜梨』の新たな担い手として園地を絶やさず守っていきたい」と話す。
次号をお楽しみに!