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2018年1月3週号
冬も野菜栽培で周年作業 - 伊藤さくらさん

 【五城目町】ハウス6棟で野菜を栽培する、五城目町富津内中津又(ふつないなかつまた)の伊藤さくらさん(41)。夏のミニトマトやトルコギキョウ生産をメインとしながら、冬期間にホウレンソウやコマツナなどを栽培し、周年農業に取り組む。
 
 現在は加温する必要がなく、経費の少ないホウレンソウの栽培が主体。寒さを生かし、天然の寒締めに近い状態に保つ。品種は「パワーアップ7」「スパイダー」に加え、「赤軸サラダホウレンソウ」を手掛けている。
 9月末から11月上旬の期間に播種し、先月から始まった収穫作業は、3月まで続く。収穫後はJAの直売所「湖東のやさい畑」や、地元のスーパーに出荷。今月からはJAを通して市場出荷もする予定だという。
 また、地場産の農産物を学校給食用として供給する団体「五城目エコファーマーズ」に所属し、農薬使用を抑えた野菜を提供する。
 地元の農業再生協議会の事務局で働いていた伊藤さん。7年前から施設栽培を始め、3年前に本格的に就農した。
 水稲を栽培する親から、日当たりの良い耕地を譲り受け、ハウスを建設。栽培方法はJAや身内から聞くこともあるが、ほぼ独学で取得した。雪でハウスを潰したことがあり、まだ施設管理の面で手探り状態のところもあるという。
 小学生を始め、子どもに対しての収穫体験も行っているという。農薬を控えた栽培について「手間はかかるが『作物ができるまでに大変な作業が必要』ということを教えることができる。あえて野菜周辺の雑草を残しておくなど、ありのままの農業を見てもらおうと考えている」と話す。次回の収穫体験では、栽培した野菜を使ってグリーンカレーを作る企画も予定しているという。

 「いずれは自分の野菜を使った料理を出す居酒屋を開きたい」と夢を話す伊藤さん。また「若者同士のネットワークがあれば今まで以上に農業に取り組みやすくなるため、若者農業者の仲間を増やしたい」とし「毎日楽しく施設栽培ができればいい。これからも安心安全な野菜をたくさん作っていきたい」と抱負を話す。
次号をお楽しみに!