農業共済新聞

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2018年2月1週号
自主生産の商品づくり - 農事組合法人立花ファーム

 【大館市】大館市立花の農事組合法人立花ファーム(長崎祥悦郎代表理事=79歳、構成員48人)では、農作物を栽培する傍ら、それを原料とした加工品を製造。直売所で販売しながら、ふるさと納税の返礼品としても提供している。地元の特色を生かした切り餅をデザインするなど、地域の人が親しみを持てる加工品も作ることで、人気を集めている。

 同法人は2000年に設立。秋田県第1号の特定農業生産法人で、水稲、大豆、ネギやブラックベリーなどを生産している。12年に設立した加工所では6人ほどで作業を行う。
 主な加工品は、ブラックベリーのジャムや、切り餅をはじめとする餅類など。原材料には同法人で生産するもち米「キヌノハダ」を使用している。地元の直売所や、秋田市のセリオン、エリアなかいちで販売するほか、ふるさと納税の返礼品として注文を受ける。
 このうち「もちもちはちくんちから餅」は、大館市観光キャラクター「はちくん」のイラストが入った切り餅。大館らしさや秋田犬ブームの影響で、主力商品の一つになっている。
 餅作りにおいて菌やカビは大敵なので、衛生管理には特に気を配っているという。作業前の消毒はもちろん欠かさず、作業後も天井や床、作業台などの掃除、除菌を徹底する。中島貞雄理事(70)は「掃除に一時間近くかかるときは体にこたえるが、安全な商品を届けるためには、衛生管理は手を抜けない」と気を引き締める。

 「季節の商品だけでなく、一年を通して利益が出るような商品作りをしていきたい」と話す中島理事。加工所を稼働するには、稼働する時期や手掛ける商品を考え、安定した収入を確保することが大切だと強調する。「もちもちはちくんちから餅を秋の紅葉シーズンにあわせて、秋田内陸線の利用者へお土産として出せたら、経営もより安定するだろう。あとは、大豆が原料の商品化にも挑戦したい」と意欲を見せる。

 ▽経営規模=水稲30・4㌶、大豆17・2㌶、ネギ40㌃、ブラックベリー10㌃(300本ほど)
次号をお楽しみに!