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2018年3月3週号
横手ホップの魅力を発信 - よこてホッププロジェクト
 【横手市】2017年の生産量が全国1位を誇るホップを横手市の宝と位置づけ、さまざまな業種からなる有志が市民団体「よこてホッププロジェクト(首藤郷(しゅとう・きょう)代表、37歳)」を結成した。非農家や県外在住者にもホップに親しんでもらうため、イベントなどを通して魅力を発信している。

 水稲の転作作物として47年前に導入以来、横手市大雄地区は全国有数のホップ産地。しかし、近年は生産者の高齢化や後継者不足などで生産量が全盛期の3分の1にまで減少していた。  
 首藤代表は農産物の通販等を手掛ける会社を経営。3年前に同市に移住し、移住促進のサポート役としても活動する中で、横手産ホップと生産を取り巻く現状を知った。
 「横手のホップを未来に残すため、多くの人に魅力を伝え、地域を元気にしたい」との考えのもと、同市のIT企業社長・岩根えり子さん、NPO法人理事・田畑晃子さんらと共にプロジェクトを設立。市や大雄ホップ農業協同組合、同農協と出荷契約を結ぶキリングループと共同し、活動をスタートさせた。  
 昨夏には県外在住者を中心に、ホップ畑の見学や農業体験、地域住民との交流を盛り込んだ「ホップの郷づくり体験ツアー」を実施。美容など女性の関心が高いテーマを織り込み、新たなファン層の開拓を目指した。  
 秋にはキリンビール横浜工場にてビールの仕込み体験を行った。農家や関係者、公募で参加した31人は6班に分かれ、「かいこがね」「キリン2号」の2品種を使い6種類のビールを仕込んだ。  
 使用したホップは、子供たちに地域のホップ栽培に関心を持ってもらおうと、市とキリンの企画により市立大雄小学校(酒井浩校長)で植栽されたもの。児童たちはグリーンカーテンとして世話や観察、学習を通してホップに親しんできた。プロジェクトもこの活動に賛同している。

 完成したビールはこのほど「横手ホップセッション」と題したお披露目会で振る舞われ、135人の出席者が6種の味と香りの違いや地元食材との組み合わせを楽しんだ。  
 同農協の皆川廣太組合長は「プロジェクトが地域を盛り上げてくれている。ホップ生産に課題は多いが、みんなで楽しみを持ちながら続けていくことが必要だと思う」と話している。

▽ホームページURL
http://www.city.yokote.lg.jp/tokusetsu/hp/pro.html
次号をお楽しみに!