農業共済新聞

トップ > 広報活動 > 農業共済新聞 2018年4月1週号
2018年4月1週号
豪雪地帯でイチゴ栽培 - 企業組合「美郷ストロベリー」

 【美郷町】旧仙南西小学校のグラウンドを活用し、100坪ハウス9棟でイチゴを栽培する、美郷町金沢西根の企業組合「美郷ストロベリー(金子嘉伸(よしのぶ)代表、36歳)」。豪雪地帯でのイチゴ栽培に試行錯誤しながら、多くの人に食べてもらおうと活動を続けている。

 主に手掛けるのは「章姫」「紅ほっぺ」の2品種。章姫は甘味が強く柔らかいため、子供や高齢の人から人気が高い。紅ほっぺは艶やかな色と、粒が大きく甘酸っぱさが特徴だ。
 どちらも低温でじっくり色をつけて、甘さを際立たせた完熟状態で出荷。初めは地元の道の駅で販売していたが、現在は隣接する市町村のスーパーなどにも販路を拡大している。
 県内でも豪雪地帯の美郷町は、園芸施設の暖房費などの対策が課題だが、同組合ではもみ殻を燃料に利用。灯油と組み合わせた加温方法で、コスト削減に取り組む。使用後のもみ殻は、薫炭として1袋(90㍑~120㍑)600円で販売。質の良さから町外から買い求める人がいるという。
 出荷面では、トラック輸送でもイチゴに傷が付かないよう、ケースに工夫を凝らす。金子代表は「ボイラーの仕組みや出荷ケースなどいろいろ試してきた。疑問に思ったことは、何でも自分でやってみて改善してきたことが、現在の組織につながっている」と話す。

 夏はイチゴを急速冷凍させ「イチゴ フローズン」として売り出したり、スムージーにしたりして各種イベントで販売。かき氷のようなシャリシャリの食感に、魅了される人が増加中だという。

 また、フェイスブックなどの会員制交流サイト(SNS)も活用して認知度を上げている。ケースやイチゴ一粒など細部までわかる写真を掲載し、口コミで人気を広げている。
 今後も、多くの人に知ってもらい、食べてほしいと考える金子代表。「秋田の魅力であり課題でもある雪を生かし、秋田の農業を発展させたい。通年で農業を続け、秋田を元気にしていくのが私たちの目標です」と意気込む。

 ▽問い合わせ=美郷ストロベリー(℡090・2977・4975)
次号をお楽しみに!