2020年4月2週号
量より”質”を追求 - 摂津崚太さん
「日本テレビの『青空レストン』に出るのが夢」と話す、湯沢市幡野地区の摂津崚太(せっつ・りょうた)さん(27)。就農から3年目となり、量より質に力を入れながら、野菜栽培や冬の多肉植物出荷に取り組む。
摂津さんはドッグトレーナーの専門学校に通っていたが、卒業後に岩手県内の農業法人で4年間勤務。花き生産やガーデニング、造園、野菜生産、自前の店舗での販売など多くのことに取り組み、主に花き生産(ポットや鉢物)に携わった。その後、実家に戻り、水稲と花きの複合経営をしている両親の元で就農。1年後に独立し、野菜栽培を軸にして経営を始めた。
現在はネギ30㌃やカリフラワー10㌃、ハウスでインゲン5㌃を栽培し、品目は1年目から変わっていない。「農業法人での経験もあり、ある程度自信を持っていたが、1年目はガッツリ失敗した」と崚太さん。2年目は反省を生かし、始めた当初からの考え方「量を多く収穫する事よりも、良品質な物を生産する」を追求した。
販売先はJAをはじめ、地元のスーパーや道の駅、産直コーナーなど幅広い。「大量にあったネギのB品がさばききれなかったので、自宅近くのスーパーにダメもとで電話してみた」と振り返る。それからスーパーとの取引が始まり、現在は、ネギに加えカリフラワーも出荷している。
1年目の出荷はJA5割、自己開拓した売り先5割だったが、2年目は3対7ほどと直販の比率が上がった。「自分のような小規模経営だと、直販の方が売り先の確保がしやすく安定すると思う」と利点を話す。その時期の相場は関係なく、値決めをして取引してくれるので収入の見通しが立ちやすいという。一方で、「得た信用を失わないよう努力している」と気を引き締める。
「良品質の概念は新鮮であること」と話し、綺麗で新鮮な野菜の提供を心掛ける摂津さん。「朝収穫してスーパーに卸せば、おそらく24時間以内には消費者の口に入る。とりたての新鮮さを味わってもらえるよう今後も努力は惜しまない」と話す。
また、農業法人で働いていた頃に多肉植物を扱っていた摂津さんは、野菜生産を行わない冬期間に道の駅で販売している。「農業法人時代の知識が残っている。市内農園から仕入れて手を加え、付加価値を付けた上で出荷する」と話す。
当面は、更なる品質の向上を目指し、経営規模拡大を控えるという。「後作の有効活用やハウスの通年使用などで、葉物を中心とした延べ面積の拡大はしていきたい」と前を見据える。
次号をお楽しみに!