「作り方は誰かに習ったわけではなく、自己流でやっているよ」と話す、横手市大森町坂部の伊藤正一さん(82)。「あきたこまち」の稲で作った「こまちのれん」やアサリの貝殻のキーホルダーなど、さまざ
まなアイデア品を制作している。
昨年に水稲を委託するまで、農業に長年携わってきた伊藤さん。40代の頃は農閑期に県外へ出稼ぎし、空いた時間ができたのをきっかけにもの作りを始めた。
周囲の評判が特に良く、「作ってほしい」と頼まれるのが、クラフトバンドやPPバンドで作るかご細工。今年4月には南部シルバーエリアで「クラフトかご作品展」を開催した。
制作技術の高さから、由利本荘市の「新山神社裸まいり」で使うわらじや、地元神社のしめ縄などの制作依頼も受けている。また、門松作りの講習会で講師を務めるなど、精力的に活動する。
昨年は県種苗交換会にクラフトかごを23個出品し、すべて売り切れたという。伊藤さんは「また今年も出品に挑戦してみるつもりだよ」と意欲を見せる。