農業共済新聞

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2018年8月4週号
地場農産物を搾汁加工 - ダイセン創農
 【大仙市】昨年農産物搾汁加工施設を整備した、大仙市長野の合同会社 ダイセン創農(鈴木富士子代表=53歳、役員5人・社員11人)。農産物を栽培・加工し、販売まで行う。地域農業の6次産業化への旗頭として期待が高まっている。

 主力商品は「毎日がとまと曜日」と名付けたトマトジュース。「ストレートトマトジュース」「濃厚トマトジュース」「トマト&アップルジュース」の3タイプを販売する。
 トマトの品種は「なつのしゅん」に限定。動脈硬化や高血圧などを防ぐとされるリコピン成分が生食用品種の2倍以上含まれる。

 栽培は借入地3・4㌶の他、地域の契約農家約10戸に委託。代表の夫で事業統括責任者の等さん(54)は「週に一度は契約農家に足を運ぶ」と話す。小まめな栽培指導とコミュニケーションを心掛ける。  
 収穫後は工場で冷蔵する。4日以内に搾汁加工して一旦冷凍保管したものを通年でパック充填することで、品質維持と周年雇用が可能となる。  
 販売先は、道の駅やスーパーなど県内ほぼ全域。試飲販売も毎週末3~4箇所で行う。県外では仙台を拠点にスーパーなどへ売り込む。  
 同社は「地域農業全体の活性化」を事業理念として活動する。「トマト&アップルジュース」には、なつのしゅんと地元法人が栽培するトマト「りんか」の規格外をブレンドする。また、搾汁の残りは畜産農家へ運び、有機堆肥として土壌改善に役立てる。「農業者同士のつながりを大事にして、共に所得の向上を目指していければ」と等さんは話す。
 栽培品目の増加を目指し、5年前から「タカミメロン」の栽培にも力を入れる。まだ15㌃ほどだが、技術を確立するためトンネル栽培の先進地羽後町の農家に幾度も足を運んだ。現在は生食での販売だが、これからペースト状加工など、さまざまな用途に可能性が広がるという。

 新しい農業の実現に会社全体で取り組む同社。富士子代表は「栽培から加工、営業、販売と1人何役もこなしています。工場で加工をする人が、店頭で販売もしたりするので、すごく説得力がありますよ」と話す。  

 ▽大仙市長野字高畑95―1農産物搾汁加工施設(道の駅なかせんに併設)
 ▽℡0187・49・8250
次号をお楽しみに!