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2021年5月2週号 農福連携の推進へ①
室内でスプラウト栽培 - イオ・グランデ条里
 横手市のシャイニングワンスターズ株式会社(金沢直樹代表取締役)が運営し、就労移行支援と就労継続支援B型を行う同市条里の「イオ・グランデ条里」では、一般就労に向けた活動の一環としてスプラウトを栽培する。
 事業所を利用するのは、一般就労を強い目標とする就労移行支援が3人と、一般就労にとらわれず、それぞれの目標に向けて能力を身に付ける継続支援B型が14人。支援員6人のチェックを受けながら作業し、出荷状況に合わせて工賃が支払われる。
 栽培品種は「ブロッコリースプラウト」や「レッドキャベツスプラウト」など四つで、播種からパック詰めまで一連の作業を行う。播種のほか、水の入れ替えや霧吹きを使った給水などの作業を毎日繰り返すが、怠った場合はすぐ目に見えるほど、生育に影響するという。
 支援員の黒沢美紀さん(36)は「日によって出荷数が異なるため、全員で作業内容を確認して、出荷に間に合うように役割を決めている。以前は納品までやってもらっていたが、新型コロナの影響があるので今はやっていない」と話す。
 事業所で作業できるのは平日の午前9時から午後3時まで。継続支援B型は自分に合った日数を決め、50分ほど作業して10分休憩(昼休憩を除く)するサイクルを繰り返す。就労移行支援のグループは毎日通い、午前が作業、午後は就労に向けた座学を受ける。
 管理者の伊藤秀人さん(50)は「室内のため天候の影響を受けることがない」と利点について話す。利用者ごとに合ったマニュアルを提供。「『写真を大きくしてほしい』『もっと詳しく書いてほしい』など、それぞれの要望を取り入れて編集している」と説明する。
 スプラウトは、よねやハッピーモール店などのスーパーや、事業所に併設した同社運営の「自家製麺 節屋かつら」などの飲食店に納品している。伊藤さんは「スプラウト栽培は一般的に見ると簡単な作業だが、利用者にとって『どこが分からないか』を明確にしてもらいながら支援している。利用者それぞれの目標達成に向けて寄り添い続けたい」と話す。
次号をお楽しみに!