農業共済新聞

トップ > 広報活動 > 農業共済新聞 2021年8月2週号 花きで活路見出す①
2021年8月2週号 花きで活路見出す①
端境期狙って有利販売 - 森川大輝さん
 水稲3・6㌶とパイプハウス15棟34㌃で花き20品目を手掛ける羽後町赤袴地区の森川大輝さん(24)。両親の泰一郎さん(57)、真紀子さん(53)と3人で、トルコギキョウとストック中心の家族経営をしている。
 トルコギキョウは6月から11月に出荷するが、9月からの3カ月間は特に出荷量を増やしている。大輝さんは「地元JAの指導の下、秋田県の涼しい気温を利用して夏場に成長させ、市場へ出回るのが比較的少ない時期に出荷することで、有利販売につなげている」と話す。また、ストックは10月から年明けまで出荷し、長期間の安定経営を展開している。
 「近年は高温など極端な気象になることが多い。涼しい夜間を狙い、夜通しで出荷作業をすることもある」と大輝さん。6月に定植した秋物は、高温だと生育が不ぞろいになってしまい、早く花が付き、短茎など品質低下を招くため気を付けているという。効率の良い作業に努め、給水や温度管理を適切に行うことで品質の向上を目指す。
 栽培を始めてから5年間、農業のさまざまな手法や考えを学び、現在は土作りに労力を注ぐ。以前は粘土質のため硬く締まり、収穫後に根を抜くことに苦労していたが、発酵させたわら肥と米ぬかを混ぜて改良。ふかふかな土になったことで根を容易に抜くことができ、活着が良くなったという。
 大輝さんは高校卒業後に県外の園芸専門学校に進学し、花きの栽培技術を習得。両親から「帰ってきたら学んだことを教えてほしい」と背中を押されて専攻科まで進み、課程修了後に地元で就農した。
 30年来のトマト農家だった両親も、3年前に花き農家に転身。家族で作物を統一してから、作業効率が年々上がっているという。「今後も協力して高品質な花きを栽培し、1日当たり軽トラック2台分の安定出荷を目指している」と話す。
次号をお楽しみに!