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2021年10月2週号 収入保険が経営を下支え①
果樹共済から移行 - 上野純一さん
 「収入保険の存在が、日々の経営の安心につながっている」と話すのは、収入保険に加入する鹿角市十和田地区で果樹を営む上野純一さん(47)。リンゴ210㌃、モモ40㌃を栽培して直売所を経営している。
 上野さんは収入保険開始初年から加入する。以前は果樹共済の特定危険方式を選択し、リンゴ収穫量の減少リスクに対応していた。しかし、秋田県ではモモの農業共済事業を実施していないこと、収量ではなく収入減少そのものを補てんしてくれるという点が加入の決め手となった。
 同市は昼夜の寒暖差が大きいため、食味の良いリンゴやモモが育つ。「かづの北限の桃」は全国のモモ産地で最も遅い9月に市場出荷のピークを迎え、贈答用としても人気がある。
 上野さんは「リンゴ、モモどちらも順調に生育する年はなかなかない。病気や天候などに左右され、収入がどちらかに偏ることが多い」と話す。収入保険は経営している品目全体を対象としているため、売り上げが減ったときには最善の制度だという。
 昨年は新型コロナウイルス感染拡大によって、直売所出荷による収入に影響が出た。出荷している十和田湖に続く国道沿いの直売所では、観光客が減少。平年よりも店の売り上げが落ち込んだ。
 「直売所出荷と系統出荷した場合では単価が違う。販売先の変更によって、売り上げに大きな影響がある」と話す。収量や品質の低下による収入減少だけでなく、こうした想定外のリスクに対応している点もメリットを感じる。
 収入保険について「若い人はいいが、白色申告を長年している方は青色申告を始めることにちゅうちょしてしまう。白色申告でも加入できる仕組みだと、加入者がもっと増えると思う」と話す。
 上野さんは今後について「今年も春先の霜によって多くの農家が被害を受けた。販路の拡大など、地域全体で協力して果樹生産を盛り上げていきたい」と話している。
次号をお楽しみに!