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2021年11月2週号 園芸施設共済で雪害から再建③
未被覆のハウスが全て倒壊 - 斎藤洋功さん

 「パイプだけの状態でつぶれるとは思っていなかった」と話す湯沢市岩崎地区の斎藤洋功さん(57)。冬はハウスにビニールを被覆していなかったが、8棟全てが積雪で倒壊した。
 洋功さんは妻の祥子さん(49)と息子の拓真さん(23)と共に水稲25㌶、トマトをハウス6棟で栽培。育苗ハウスと合わせて8棟を使用している。
 同市では、昨年末から今年にかけてのまとまった雪で、180㌢ほど積もったという。祥子さんは「いつもならハウス周辺は、風がよく吹いて雪が積もりにくいし、日が当たると徐々に解ける。今年は異常。一気に雪が降り、気温も低かったためパイプが凍った」と話す。
 1月上旬、知り合いから「ハウスがつぶれているようだ」と連絡が来て確認しに行ったところ、3棟が全壊。5棟も部分的に破損するなど大被害となっていた。洋功さんは「ハウスまで行くのがひと苦労で、かんじきを使用しなければたどり着けなかった。パイプが雪の上から少し見えるくらいで、てっぺんが下まで曲がってM字になっているものもあった」と振り返る。
 全壊したハウスは園芸施設共済の共済金に加え、国の「持続的生産強化対策事業」を利用して3月に再建。他の5棟も6月ごろに修理を終わらせた。祥子さんは「つぶれた当時は『もう駄目だ』と思ったが、再建できて農業を続ける意欲につながった。本当に助かった」と話す。
 園芸施設共済に20年以上加入し、「加入しないのと比べると安心感が違う」と洋功さん。収入保険と建物共済、農機具共済にも加入して万全に備え、「NOSAIさまさまです」と笑顔を見せる。
 これまでハウスの補強をしていなかったが、雪が降るまでに1間おきに支柱を立てる予定だという。また「ハウスの再建をきっかけに、冬期間の新たな収入源として、2棟でホウレンソウを作付ける予定」と今後の農業経営について前向きに考える。
次号をお楽しみに!