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2022年1月1週号 サキホコレ栽培農家③
茎太く丈夫で作りやすい - 佐藤敏彦さん
 佐藤敏彦さん(60)は、にかほ市立居地地区で45㌃を作付けた。「元々『あきたecoらいす』に取り組んでいたので、新品種米の栽培はこれまでの作業体系をほとんど変えることなく取り組むことができた」と話す。
 今年からサキホコレを生産する予定で土壌診断など準備を進めていたが、一昨年秋にJA秋田しんせいの営農指導員から先行栽培を打診され、1年前倒しした。昨年は水田3・8㌶で新品種米と「ひとめぼれ」「つぶぞろい」を作付けた。
 サキホコレの栽培マニュアルに従い、本田移植は坪70株植えで行った。「種もみの支給が10㌃当たり4㌔と決まっていて、苗が足りない感じになり、若干ひやひやした」と佐藤さん。
 食味の基準(タンパク値6・4%以下)が定められているため、特に追肥の時期や量に注意し、関係機関に相談しながら春から肥培管理を行った。刈り取り適期を見定め、乾燥作業に一層気を使い、玄米水分を14%以上15%以下の基準値内で仕上げた。
 「炊き上がった米を見ると粒立ちが良くつやがあり、おいしい。味わってもらうのが一番の宣伝になると思うので、試食などでPRしてほしい」と今後を期待する。同JA営農
経済部米穀課の齋藤和重さんは「サキホコレは温暖な本荘由利地域に適した品種と感じる。晩生種といわれているが、この地域で栽培されているひとめぼれより、少し遅いくらいの印象だ。茎が太く丈夫で倒伏しにくいので作りやすい」と話す。
 同JA管内では昨年12人が7㌶でサキホコレを作付け。今年は80人で約67㌶となる予定で、今後500㌶まで拡大する目標を掲げる。佐藤さんは本年作で、1・4㌶まで面積を増やす予定だ。「ブランド米として価格を維持していくことで、生産者側のモチベ
ーションが高くなる。食味や水分の基準などをしっかりと守って品質を管理したい」と、これからも秋田米の最上位品種の栽培に取り組む。
次号をお楽しみに!