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2022年4月2週号 固い絆でまい進②
乳量安定へ種付けに細心 - 小林一郎さん、大峰さん
 「小さな頃から親の背中を見て、後を継ごうと思っていた」と話すのは、小林大峰さん(29)。鹿角市十和田田代平地区で父の一郎さん(59)が経営する小林牧場で働く。成乳牛と育成牛を合わせて76頭を飼育する。
 父のパートナーとして、小林牧場の4代目として日々汗を流す。生乳を1日1200㌔、年間で430㌧出荷する。主に一郎さんは成乳牛を、大峰さんは育成牛を担当している。
 午前5時に始まる牛舎の清掃から給餌、搾乳と取り組み、午前7時すぎまで作業は続く。日中は日々の作業をこなし、午後5時から午後9時ごろまで早朝と同じ作業を行う。
 一郎さんは「種付けがうまくいかなければければ、安定した乳量を確保できない。種の選定は重要」と話す。家畜人工授精師でもある大峰さんは、飼育する母牛の欠点を補う血統を重視して種付け。乳量を安定的に生産するため、2人は互いに理解して行動する。
 牛に与える牧草も協力して42㌶で栽培。夏場に2回刈り取る。収穫期間は1回目が6月下旬から7月上旬、2回目が8月中旬から9月上旬。2回目の刈り取り後、自家製堆肥を投入する。
 2人とも就農前に北海道で酪農の修業に励み、19歳で秋田に帰郷。10年前に大峰さんが戻り、農業歴40年の一郎さんを支える形となった。
 「365日休みが無い中、よく頑張ってもらっている。これからは経営者として思い切って仕事をしてもらいたい」と一郎さん。「1人ではなかなかできる作業ではないので、親はありがたい」と大峰さんは話す。
 牛の診療を担当するNOSAI秋田(秋田県農業共済組合)県北家畜診療所の真田慶之助獣医師は「出産や手術などサポートしてほしいときに、家族総出で助けてくれる。家族の仲がいいことで作業効率が上がり、経営がうまくいっている」と評価する。
 今後について、2人は「牛舎のスペースが限られているので、頭数は増やせない。安定経営を目指し、牛をよく観察して事故を少なく、お互いに協力し元気な牛を育てたい」と声をそろえる。
次号をお楽しみに!