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あきた版8月3週号
夫婦で専業農家に転身 安定収入の確保へ - 栁沢智哉さん、絵美さん

 主食用米約11㌶と飼料用米約12㌶、ソバ約9㌶を作付ける鹿角市十和田地区の株式会社アグリ栁沢・栁沢智哉さん(37)と妻の絵美さん(38)。さらなる面積拡大と、安定した収入の確保を目標に、楽しく農業に取り組んでいる。
 2020年、智哉さんは会社員から転職し、同社を立ち上げた。当時、単身赴任をしていたが、家族と離れず地元で働きたいという気持ちが強くなり、転職を決意。絵美さんも団体職員として働いていたが退職し、2人で専業農家としてスタートした。
 智哉さんは「農作業は、農業に長年携わってきた祖父から、少しずつ教わりながら覚えたので大変だった」と振り返る。さらに「作業が立て込み、忙しい時期もあるが、自分のペースで時間調整できるので、農業は自分に合ってい
ると感じる。4人の子供たちと過ごす時間も増えてうれしい」と笑顔を見せる。絵美さんも子育てに集中できるので助かっているという。
 収入を確保するため、農業用小型無人機(ドローン)を購入。オペレーター資格のほか、米とソバの農産物検査員の資格も取得した。ドローンの受託作業面積は、市内と大館市田代地区の200㌶ほどだ。
 昨年は水稲が大雨の被害を受け、収入が落ち込んだが、ドローンの受託作業と米の農産物検査員の収入に助けられた。智哉さんは「農業は自然に左右される産業だが、やり方次第できちんと収入を得ることができると証明して、農業を志す仲間が増えることを期待している」と力強く話す。
 十和田地区で共に営農に励む農事組合法人伊藤農場の伊藤太代表(70)は「これからの農業にとって、若い人材は貴重な存在。智哉さんの頑張りを大事に応援したい」と話す。
 アグリ栁沢のトラクターと軽トラック各2台に同社のマークを入れ、さらにトラクター1台は智哉さんの好みの色に塗装している。「目立つので、トラクターを見て声をかけてくれる人が増えてきたことがうれしい」とほほ笑む。
 「今後の目標は面積拡大と安定した収入の確保。将来的にはライスセンターの建設を目指したい」と意欲を示す。
次号をお楽しみに!