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あきた版10月3週号
地元で愛されるしょうゆ・みそ 30 ㌔たるでみそ製造を容易に - 菅原春吉商店 菅原芙美代表

 潟上市野村地区でしょうゆとみその製造、販売を手がける菅原春吉商店の菅原芙美代表(34)。子供の頃から親しんできた味を守りたい思いで仕込みに励んでいる。
 1926年から蔵元で製造している商品には、麹の原料として自家産「あきたこまち」を使用。みそは秋田県産「リュウホウ」を加工して仕上げる。
 看板商品の「鶴印醤油」はまろやかな味わいで、地元民から長年愛用されている。九州じょうゆに似た甘さが特徴だ。化学調味料や保存料が不使用のため、子供から大人まで安心して口にすることができる。
 2011年ころ、父がいずれ店を畳もうかと考えていると連絡を受けた菅原代表。市外に住んでいたが、出産を機に地元へ戻り、後を継ぐことを決意した。「しょうゆ造りの知識は全くなかったが、潟上市から県外へ転居している人たちに、地元の懐かしい味だと感じてもらえる味をなくしたくなかった」と当時を振り返る。

 しょうゆの仕込み作業は、主に父と2人で行う。発酵・熟成後、微生物の働きを止め、香りを生み出すための火入れを行う。「火入れは一番気を使う作業だ。火力や加熱時間で全く違う味になるため、今でも父に教えてもらいながら作業を行っている」と話す。
 みその仕込みでは、この先1人でも作業がしやすいように、30㌔のたるを導入。重労働といわれるみそを底からかき混ぜる「返し」の作業を女性でもやりやすくなるように工夫をした。配達も1人でこなす。苦労することもあるが、祖父母の代から長く使い続けている客の声が励みになっている。

 同じ野村地区内の菅原博さん(72)は「昔から春吉商店のしょうゆを使っているが、舌に合い本当においしい。煮物から刺し身まで、毎日の食卓になくてはならない存在だ。在庫がなくなると、すぐにお店で直接購入している」と話す。
 鶴印醤油は1㍑430円、人気の秋田多糀味噌は500㌘450円で販売(ともに税込み)。現在は秋田県内の食料品店や道の駅、自宅兼店舗で購入できる。ネット販売も行い、遠方では熊本県からも注文が入る。「25年には創業100年を迎える。記念として、潟上市産の大豆を使った商品の製造を考えている。イベントなどにも積極的に参加して商品をアピールしたい」と目標を話す。
 和食離れが加速し、しょうゆの消費量が減少する中、「今の味を守りながら時代のニーズに合った商品を、どんな形にして作っていくかが課題」と菅原代表。「自分の子供たちが後を継いでくれるようなお店づくりをしていきたい」
と日々の作業と向き合う。
次号をお楽しみに!