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あきた版11月1週号
ソバで耕作放棄地増加防ぐ 故郷の原風景守る - (農)石沢そば郷里の会

 ソバ120㌶を栽培する由利本荘市石沢地区の農事組合法人石沢そば郷里の会(井島市太郎代表=77歳、構成員122人)。農業者の兼業化や高齢化、農業機械の老朽化で稲作の継続や複合作目への取り組みが限界状況にある中、耕作放棄地の増加を防ぐため、ソバの生産に励む。
 同地区は、地名に水源を意味する「沢」の付く地名が多い。湿田が点在していることから、有効な転作作物をなかなか見いだせずにいた。この状況が長年続き、耕作放棄地が至る所で目につくようになったという。井島代表は「耕作放棄地を解消し、故郷の原風景を取り戻したい。この気持ちだけで仲間を募り、動き出した」と振り返る。
 石沢そば郷里の会は2011年に任意組織としてスタート。以前か
ら自家用栽培を続けていた農家3人を中心に、栽培技術や機具・機材もゼロの状態で始めた。空き豚舎を乾燥調製小屋に改造。乾燥機や風選機、コンバインなどは全て耐用年数の過ぎた中古品で賄った。
 翌年には、刈り取りと乾燥調製の作業受託を開始。15年に、生産者59人で集落営農組織を結成した。地域全体での収量や品質の安定化を図る仕組みを構築し、地元産ソバを普及するため、年越しそばの予約販売を開始。その後、組織を法人化した。
 22年には、閉校した旧石沢小学校で石沢学校食堂の開設に尽力。石沢そば郷里の会では、そば粉を提供している。現在は「石沢郷里そば」として、二八の生そばの販売や新そば試食会と称して手打ち、試食の体験会を実施するなど地域一体となった活動を行う。
 生産技術向上のため、毎年2月と6月に生産者栽培技術講習会を実施。農家の所得確保に努める。石沢そば郷里の会に栽培技術を指導している中日本肥料株式会社の金峯浩執行役員(56)は「今年は異常といえる高温続きの夏だが、石沢地区の初期生育は例年通りだった」と話す。
 井島代表は「酷暑の影響で花は咲いているが、実の付き具合が不安だ。不稔傾向にあるが、今まで指導を受けてきた基本技術を、生産者の全員がしっかり取り組んできた結果が出てきている。平年並みの収量確保を目指したい」と意欲を示す。
次号をお楽しみに!