八峰町峰浜水沢の福山正人さん(65)は水稲6・4㌶、大豆26㌃を栽培する。このほか息子2人に耕地を配分し、経営を分けて9年目。福山さんは40歳で会社勤めを辞めて就農し、規模拡大を順調に進めてきた。
しかし、2023年7月の記録的豪雨で用水路の数カ所が壊滅。福山さんと息子らの水田合わせて9㌶に、収穫期まで水が来ない状況に陥った。「圃場は干上がりひび割れた。あれほどの被害は見たことがない」と振り返る。同年に加入した収入保険を利用し、保険金を請求。特約補填金を受け取ることができた。
「保険に頼るような仕事はしない」と考えていたが、経営努力では回避できない災害を経験した福山さん。総代兼NOSAI部長として地域農家の経営安定のため、農業保険の普及拡大にも努めている。
現在地区内で行われている圃場整備が完了した後、他経営体と合同で農業法人を設立する予定だ。「親子での農作業とは異なる会社経営体での仕事に不安もあるが、今後は息子たちを信じ経営を託したい」と話し、農作業の指導に精を出す。