東北版5月4週号
自社産ダイコンやシイタケ、地域の果実 乾燥加工で付加価値 - 新興エコファーム
水稲58・5㌶や大豆19・9㌶、エダマメ3・1㌶などを栽培する大仙市太田町斉内の農事組合法人新興エコファーム(細川良喜代表理事、構成員12人)。食品加工を行う「加工部」では乾燥野菜や乾燥シイタケを製造する。6次産業化し付加価値を高め、冬場の収入源になっている。
加工部は安達美保さん(71)が代表を務め、部員は4人。ダイコンの切り干し加工は降霜後の11月後半から開始し、翌年3月まで行う。品種は「本宮」で、昨年度は1・2㌧を加工した。
シイタケ(菌床数1万個)の加工は3月末から4月にかけ、生食用の収穫を終えてから取りかかる。かさが開くまで成長させると水分量が減り、乾燥しやすいという。軸をハサミで切り落とし、スライサーへ
投入。6㍉にスライス後、トレーに並べ乾燥機にかける。
「スライス直後は、水分で断面同士が貼りついてしまう。乾燥の妨げになるので1枚ずつ剥がして均一に並べる」と話す。45度で10時間熱風を当て乾燥。予冷庫で保存し、商品ごとに25㌘から65㌘まで小分けに詰める。保存料などの添加物は使用していない。
2008年に加工部が始動し、現在はダイコンを中心にシイタケや柿などの乾燥加工を行う。リンゴは地元農家から仕入れて加工するほか、作業受託も受け入れている。
安達代表は「ダイコンやニンジン、シイタケを詰め合わせた『とん汁セット』も好評。煮ると柔らかくなって食べやすく、食べ応えがある」と紹介する。同法人の直売所とホームページのほか、県内スーパーなどで販売する。
出荷先の一つ、JA秋田おばこ直売所「しゅしゅえっとまるしぇ」の藤田学店長は「保存が利き手軽に使える商品のため、リピーターが多い。『とん汁セット』が一番人気」と話す。
安達代表は「法人創設時からの部員で年齢的な心配もあるが、これからも加工品を作り続けたい」と笑顔を見せる。
次号をお楽しみに!