農業共済新聞

トップ > 広報活動 > 農業共済新聞 あきた版6月1週号
あきた版6月1週号
豪雨でハウス浸水 - 明野悠樹さん

 大仙市角間川町の明野悠樹さん(34)は、ビニールハウス7棟でトマトとミニトマトを、冬期間はホウレンソウとフクタチを栽培する。今年3月に株式会社あけのファームとして法人化し、代表取締役に就任。父・一雄さん(72)の経営も承継し、水稲12・5㌶を新たに手がける。
 同社では、ハウス5棟でトマト「りんか409」を、2棟でミニトマト「アンジェレ」を栽培している。りんか409は暑さに強く多収で、酸味が少ない。アンジェレは、へたなし出荷品種のため、収穫しやすいメリットがある。甘みが強く、消費者ニーズが高いという。
 妻の麻依子さん(34)と共に、繁忙期には近隣住民や知人の協力を受けて作業する。ハウス内には、水管理や温度などを確認できるITサービス「みどりクラウド」を使用。以前は経験や感覚で作業して
いたが、データで管理でき、作業効率が向上した。導入して3年目になる。
 2021年に悠樹さん個人で収入保険へ加入。「野菜価格安定制度では対応していない補償の幅広さが魅力。異常気象による収量減少や、体調不良などが原因の減収も補てんできる収入保険を選んだ」と振り返る。
 昨年は7月下旬の豪雨でハウスが浸水した。トマトは根腐れや病害を免れたが、2週間ほど生育が停止。例年の半分ほどの収量となった。つなぎ融資を申請し、保険金等を受け取った。
 悠樹さんは「秋の精算に向けて、つなぎ融資を受けられ、とても助かった。無利子で手続きも簡単。保険金の試算ができたので、気持ち的にもめどが付き安心した」と話す。
 水害に備えて今年はトマトを平畝から高畝にし、酸欠を避けるために酸素供給剤をすき込むなどの対策をした。土壌内の菌を意識した土作りを心がけている。
 高齢化などに伴い、離農者が増えている状況を考慮する悠樹さん。家族で協力して農地を守り、地域に根付いた農業の実践を目標に掲げる。「法人化しても安定した農業経営を維持できるよう、収入保険制度に継続加入している。おいしいお米や野菜を作って食卓に笑顔を届けていきたい」と意気込む。
次号をお楽しみに!