あきた版6月3週号
記録的大雨が水稲直撃 - 阿部泉さん
水稲1・4㌶を栽培する由利本荘市西沢の阿部泉さん(65)。昨年7月24日から26日にかけて続いた記録的大雨で甚大な被害を受け、保険金等を請求した。
昨年は2・3㌶を作付けていたが、道路が寸断したほか、土砂流入や畦畔崩落などが発生し、1㌶の圃場が被災。農地に行けず、管理、収穫ができなかった。「農地が3カ所に分散していたのが不幸中の幸い。1カ所に集約していたら全滅だったかもしれない」と振り返る。
阿部さんは住宅や農作業場にも浸水被害を受け、一時的に避難しなければならなかった。「落ち着いてから圃場を確認した時は衝撃だった」と話す。対岸の圃場に立ち入れず、収穫期を迎えた稲をただ見るしかできないもどかしさがあった。「被害の報告から確認、保険金等の支払いまで対応はスムーズで非常に助かった。運転資金として活用している」と安堵の表情を見せる。
収入保険には2021年から加入。青色申告は以前から行い、NOSAI職員の勧めもあり加入を決めた。「病気やけがで収穫できなかった場合も補償されるなど幅広いリスク対応が魅力」と阿部さん。21年の大幅な
米価下落や、23年の高温被害で減収した際も保険金等を受け取ることができ、とても助かったという。
保険の審査も税務申告書類の提出だけで完結するので面倒がないと感じる。周囲の農家にも収入保険への加入を勧めている。
被災した農地復旧には道路の修復を含め3年ほどかかる見込みで、除草管理を行い、圃場維持に努めるという。この期間は作付け不能になり、収入が大きく落ち込む。「圃場の復旧を確約し、管理している場合でも補償してもらえるとありがたい」とさらなる補償の充実に期待する。
段取り良く時間を有効活用し、農作業に励む阿部さん。「時間はかかるが、全耕地を復旧し、元の水田風景を取り戻したい」と前を向く。
次号をお楽しみに!