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あきた版6月3週号
猛暑で花きと水稲減収 - 斎藤千秋さん

 大館市川口の斎藤千秋さん(51)は、水稲3・8㌶、ダリア10㌃を作付けする。父親が急逝し、2020年に就農した。経営を承継し、収入保険に継続加入している。
 リスク分散を図り、複合経営として23年からダリアの栽培に取り組む。「収入保険は水稲などの主要農産物のほか、花きなどさまざまな品目が補償されることが魅力。安心して営農できている」とほほ笑む。
 ダリアは「NAMAHAGEラブ」や「NAMAHAGE REIWA」など15品種を手がける。JAあきた北に出荷し、直売所「とれたて旬菜館」でも販売する。前年に掘り上げた株を、3月中旬に温熱プレートを使い20度で発芽させる。5月下旬に1200株を定植し、収穫は7月上旬から10月末まで続く。
 斎藤さんは23年に猛暑でダリアが枯死し、収量が減少したため保険金等を受け取った。見込農業収入金額から55%減収。「暑い日が続き、懸命に灌水したが収量が落ちてしまった。水稲も高温で乳白米などが発生したので、収入保険に加入していて助かった」と振り返
る。自然災害による収量減少のほか、価格低下も補う幅広い補償も心強いという。
 斎藤さんはダリアの品質管理に力を入れる。開花時期にオオタバコガの卵が付くと、価格低下につながるため、防除を徹底して行う。また、近年の猛暑対策として小まめな灌水に努めるほか、同JAの営農指導員や花卉部会員との積極的な情報交換を怠らない。
 農繁期には娘が帰郷し手伝うこともあり、親子で農作業に当たる。田植機を運転する姿に頼もしさを感じ、後継者になってくれることを期待する。
 昨年はダリアを1万3千本ほど出荷した斎藤さん。今後は水稲からダリアへ経営の中心を徐々に移行し、品種も増やす予定だという。「奇麗な花に癒やされながら楽しんで取り組んでいる。たくさんの人から手に取ってもらえるよう、さらなる品質向上に尽くしていきたい」と話している。
次号をお楽しみに!