あきた版8月3週号
高品質スイートコーン 病害虫と鳥獣に細心 - 農事組合法人 小杉山ファーム
昨年、法人化した大仙市土川の農事組合法人小杉山ファーム(構成員5人)は、水稲39・1㌶とスイートコーン1㌶の栽培に取り組む。病害虫と野生鳥獣の対策を徹底し、高品質なスイートコーンを生産。収量確保と経営安定に力を注ぐ。
スイートコーンは「Sweets恵味ゴールド」60㌃と「Sweets恵味86」40㌃を作付けする。前年の秋に完熟牛ふん堆肥を10㌃当たり2㌧すき込む。播種前には牛ふん堆肥に加え、発酵鶏ふん堆肥を同150㌔まく。
例年は4月下旬から5月末までに直播する。今年は長雨で圃場が乾かなかったため、1カ月以上遅れたという。手押し式播種機で1粒ずつ播く。条間は60㌢で、株間は23㌢。
3~4葉になったら、生育不良の苗を鎌で間引く。株元の分けつ枝は片方を残して鎌で刈る。雌穂は除房せず、出穂後の積算温度が450度に達すると収穫適期。午前5時から1時間以内に、手で折り取って収穫する。傷まないよう触る回数を減らすため、軸を切りそろえない。
出荷先は有限会社丸徳商店や、丸果秋田県青果株式会社など。最盛期は1日に千本ほど出荷するという。同市西仙北支所農林建設課の加藤麻由主幹は
「西仙北地域産物加工販売施設『大綱の里』の店頭に並ぶと、すぐ売り切れてしまう。甘くておいしいと評判は上々」と話し、今年の出来にも期待を寄せる。
同法人ではクマやタヌキの対策として、圃場をソーラー電気柵で囲う。カラスの食害には、昨年まで90㌢設けていた条間を狭
めて対応。飛来を阻止している。また、害虫対策も徹底し、アワノメイガやオオタバコガなどに対して3回ほど農薬を散布する。
近隣農地の圃場整備を控え、完了後は面積拡大を予定する同法人。佐々木廣隆代表理事(59)は人手不足を課題に挙げる。「繁忙期は地域外から手伝いに来てくれる人もいる。興味を持っているそうなので、今後就農してもらえるなら心強い」と話す。
同法人は不慮の減収に備え、本年度から収入保険に加入。補償範囲の広さが魅力だったという。「圃場整備が終わったら水稲65㌶、スイートコーン10㌶まで拡大する構想だ。経営を安定させ、地元の農地を守れるよう引き続き頑張りたい」と前を向く。
次号をお楽しみに!