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東北版8月4週号
和牛繁殖 自社産飼料で脂質改善 口溶けの良い脂身に - 株式会社 ゆりファーム

 鳥海山麓に広がる高原で「秋田由利牛」を飼養する、由利本荘市雪車町の株式会社ゆりファーム。常時240頭前後の黒毛和牛の飼養管理に取り組み、毎月12頭ほどを出荷する。
 秋田由利牛は、JA秋田しんせい由利牛肥育部会員が飼育した黒毛和牛。肉質が5等級および4等級を対象とし、出荷6カ月前からは米や米を原料とした飼料を1日に一定量与えることなどが基準とされる。
 同社では、自社のTMR(完全混合飼料)施設で混合飼料「ゆりスペシャル」のほか数種類を生産。破砕処理した乾燥もみに酒かすや規格外大豆など数種類を調合し、発酵させて作る。栄養価の高い副産物などを利用し、栄養バランスの調整とコスト軽減を実現。脂質が改善され、口溶けの良い脂身に仕上がるという。
 今年は、主原料となる飼料用米の生産者が減少し、納入数量は昨年の半分ほどになる予定。代表取締役の堀内忠さん(69)は「不足分を補う代替原料をどうするかが目下の悩み。酒米のぬかで試作するなど模索している」と話し、秋田由利牛ブランドの維持にまい進する。
次号をお楽しみに!