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あきた版9月1週号
クラフトビール醸造所立ち上げ 地元産ホップを利用 - 株式会社うるかしこと

 横手市田中町でクラフトビール醸造所「sunao brewery」を運営する株式会社うるかしこと。津川渚奈於代表取締役(31)は、地域に根差したクラフトビール造りを追求する。ホップやリンゴなど地場産農産物を取り入れた開発を行い、注目を集める。
 醸造所は2024年2月に操業を開始。津川代表は都内で修業後に帰郷し、同社を起業した。発泡酒製造免許を取得し、これまでに12種類のクラフトビールを醸造。醸造所には300㍑のタンク4基を備え、隣接するバーで提供する。
 「開業するなら地元のホップを使って地産地消に取り組みたいと思った」と話す津川代表。ホップは市内産の「タホマ」「ウィラメット」「コメット」などを一部使用し、商品ごとに割合を調整する。
 また、副原料に果実や野菜を取り入れたいため、県内生産者とのつながりを強化したい考えだ。これまでにリンゴ「ふじ」の果汁入りを醸造し、現在はブルーベリーを使った商品開発が進行中だ。
 同社では基幹商品を持たずに、少量ずつ開発。バーには6種類ほどを用意し、在庫がなくなり次第新たな商品を製造する。350㍉㍑入りの缶ビールも展開し、市内外の酒店などで取り扱っている。
 醸造の際、狙いの味や出したい香りによって副原料を入れるタイミングを変える。津川代表の培った経験に基づき、発酵の前後に投入する順序を見計らう。湯に麦を投入した時の上がってくる香りや、ホップを入れた瞬間の爆発的な香りを感じる時がうれしく、仕込む日が一番楽しいという。
 津川代表は食事に合う個性の強過ぎないビール造りを目指す。「お客さんから『ビールはあまり飲めないが、ここのビールだったら飲める』と評価された時は、狙い通りにいって達成感を得た」と振り返る。県内外のイベントに多数出店し、ブランド認知度向上を図る。
 販売先の一つ同市猪岡の高留酒店店主の高橋知広さんは「津川さんの造るビールはいずれも製法由来の個性を出しつつも、飲みやすさもしっかりと意識していると感じる。横手のクラフトビールとしてお客さまに愛されるよう、微力ながら応援している」と話す。
 津川代表は「市内産ホップに加え、麦芽も市内や県内産を100%使用する、オール秋田産ビールを造りたい」と意欲を見せる。
次号をお楽しみに!