農業共済新聞

トップ > 広報活動 > 農業共済新聞 あきた版10月3週号
あきた版10月3週号
オウトウ、リンゴ 園地に初めて散水 - 佐々木 敦さん

 佐々木敦さん(42)は、湯沢市三関地区で「シナノスイート」「ふじ」を中心にリンゴ80㌃、「佐藤錦」「紅秀峰」を主体にオウトウ43㌃を栽培する「佐々木果樹園」を営む。帰郷して家業を継ぎ、今年で10年を迎えた。
 同園では2月にオウトウの剪定から作業が始まる。高品質な果実を育てるため、佐々木さんはゴールデンウイーク(GW)前後に行うリンゴの新梢摘みを特に重要視。時間をかけ過ぎて、後の作業に支障が出ないよう注意を払う。6月から7月はオウトウの収穫、10月上旬から11月下旬にかけてリンゴの収穫に取り組む。
 今年、同地区は6月でも雨が少なく、気温の高い日が多かった。極端な少雨に苦慮し、園地に散水して高温対策を実施。就農後初めての試みだったという。6月12日、早生種「紅さやか」の収穫を開始した。
 「近年の温暖化の影響なのか、オウトウが黒斑病などの病気にかかりやすくなった。収穫が遅れると過熟し、質のいい実が減ってしまう。リンゴの新梢摘みは、オウトウの収穫に取りかかるまでの時間との闘い」と佐々木さん。本年産のオウトウは約2㌧収穫できた。
 以前は関東で会社員として働いていた。「自分が生まれた時から父がオウトウとリンゴを作っていた。後継者がいないために園地がなくなるのはもったいないと思い就農した」と話す。現在は両親と共に従事し、繁忙期は知人や姉夫婦が手伝うこともある。
 自然災害に加えて、けがや病気による減収など今までになかった補償に魅力を感じ、2022年から収入保険に加入。同年、三関地区は記録的な低温による結実不良のため、オウトウが大不作だった。「就農して80 年になる大先輩の
『こんなに実がない年は初めて』という言葉が記憶に残っている。自分も収穫量が減ったので、保険金等が下りて助かった」と振り返る。
 佐々木さんは自宅での直売とJAこまちへの出荷に加え、22年からはふるさと納税返礼品にリンゴを提供する。昨年の収穫量は約18㌧だったが、廃棄するものが少なくない。「小さくてもJAでは傷があるリンゴの単価は安くなる。ふるさと納税は傷ありの規格外品を出品しても値段がいい」と話す。廃棄量低減を実現し、出品数増加を
目標に掲げる。
 一般社団法人湯沢市観光物産協会によると、ふるさと納税に出品している市内の果樹農家は、個人と団体を合わせて20件。事務局の渡部千晶主任は「佐々木さんのリンゴはどれも品質が高く、苦情が発生したこともない。お客さまからの問い合わせにも丁寧に対応してくださる方。安定した品質を維持し、出品数を増やしていただければ非常にうれしい」と期待する。
 佐々木さんは今後、ふるさと納税を活用したリンゴの販路拡大を目指す。佐々木さんは「オウトウは、高温下でも安定した収量が期待できる紅秀峰の木を増やしたい」と話す。
次号をお楽しみに!