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あきた版10月3週号
雑草対策徹底 稲のストレス軽減を - 土田俊則さん

 「稲へのストレスをなくす努力をし、おいしさを追求した米作りをしている」と話すのは、羽後町下仙道の土田俊則さん(73)。妻と共に水稲9・5㌶を手がけ、農繁期は親戚4人ほどに手伝いを頼み、営農に励む。
 今年から「あきたこまちR」を作付け、5月29日から6月6日まで田植えを行った。今夏の記録的な少雨に苦慮したが、9月14日から稲刈りを開始。全量をJAこまちに出荷している。同JAの理事と、同町の農業委員も兼任。自身を含め、地域の担い手への橋渡しにも尽力する。
 土作りと畦塗りには特に力を入れている。土作りでは鶏ふん堆肥を必ず使う。堆肥に加え、土の状態を見極めて化学肥料をまく。徹底した水管理と雑草対策を行うため、水が抜けない堅固な畦塗りを欠かさない。時間がかかっても、上がりに納得がいくまで続けるという。
 ヒエなどの雑草を発見すれば、圃場に入って引き抜き、稲へのストレスを低減する。収穫の際は刈り残しを絶対に見逃さない。1カ所でも残っていれば、コンバインから降りて手刈りをする。土田さんは「どの作業も手を抜くことは嫌い」と話す。
 収穫後には食味探求のため、知り合いに米と合わせて自作のアンケート用紙を
送付。粘り気や歯応え、おいしさを聞き取り、正直な意見をもらう。回答結果を今後の課題と捉え、翌年の米作りに生かす。
 土田さんは、県外産の「あきたこまち」も食べ比べた上で、自家産米の品質に誇りを持つ。「JAこまち稲作連絡協議会 令和6年度美味しいあきたこまちコンテスト」に応募し、最優秀賞に選ばれた。秋田県産米改良協会が主催する「第43回秋田県産米品評会」では優秀賞を受賞するなど、整粒歩合や食味値が高く評価された。同JA中央営農センターの石渡仁久主幹は「土田さ
んは米作りに対してとても研究熱心な方。異常気象が続く厳しい環境の中でも高品質、良食味米を安定して生産されている。何より米作りへの情熱が各品評会で受賞につながっている要因」と話す。
 土田さんが幼い頃、父親は耕起や代かき、堆肥の運搬の際に農耕馬を使っていた。馬に乗り、農作業する姿を見て育ったという。「将来は力の強い立派な馬を買い、父親のように農業を営むことが少年時代の夢だった」と話す。東京都内で就職するも、その風景が忘れられず、帰郷後就農した。
 土田さんは、2019年から収入保険に加入している。米価下落や、移植後の低温で生育不良となった際に保険金等を受け取った。「今年のような干害など、経営努力では避けられない収入減少の補償として、収入保険は良い制度。助かる人が多いだろう」と信頼を寄せ
る。
 生涯、農業を続けることを目標に掲げる土田さん。「当地区は中山間地域なので、受託面積が増えて筆数も多い。秋のうちに畦塗りをする圃場もある。早め早めに作業へと取りかかり、これからも高品質米を生産したい」と意気込む。
次号をお楽しみに!