あきた版7月3週号
水稲・大豆 土作りやスマート農業に注力 100年先を見据え - 農事組合法人下黒瀬ファーム
2020年に設立した秋田市雄和下黒瀬の農事組合法人下黒瀬ファーム(構成員78人、役員5人、従業員2人)。「100年先を見据えた地域農業」を目指し、土作りやスマート農業などに力を注ぐ。収量や品質、省力化をさらに向上させるため奮闘を続けている。
同法人は水稲約72・6㌶と大豆34・1㌶を栽培。水稲は「秋田酒こまち」と「めんこいな」を各25㌶で作付けするほか「あきたこまちR」「サキホコレ」など複数の品種で作期を分散する。秋田酒こまちは県内外五つの酒造会社と契約し、安定した販路を確保。取引量が年々増え、昨年は約141㌧を生産した。
由利本荘市の酒造会社にはオリジナル純米吟醸酒「下黒瀬」の製造を委託。同市雄和椿川の商店「バナフィショップ」で販売する。店主の佐藤三男さん(74)は「地元法人のおいしい酒米で造られていて人気があり、毎年完売する」と話す。
同法人では土作りに注力する。長谷川清仁副代表(63)は「基盤整備後5年程度の圃場など土壌ムラが見られる農地では、毎年土壌分析を行う。分析数値の結果から成分の異なる肥料2種類を使い分けて散布している」と説明する。
鶏ふん堆肥の施用でリン酸やカリウムを効率的に供給し、化学肥料の使用量を抑えている。高温に弱いあきたこまちRの圃場はケイ酸質資材で補う。酸性土壌が適さない大豆圃場には、土壌改良材の「てんろタンカル」を散布するなど、特性に合った土作りを行う。
また、スマート農機を積極的に活用する。自動操舵対応のトラクターや田植機などを導入。衛星画像から人工知能(AI)が生育状況を計測するシステムも試験導入した。推定施肥量まで確認でき、小型無人機(ドローン)で効率良く可変追肥を行うことが可能だ。
除草作業はトラクターに取り付けるハンマーナイフモア3台をフル活用し、熱中症対策を含めた軽労化に当たる。今後はレーザーレベラーを導入し、圃場の高低差是正により乾田直播にも取り組みたいという。
こうした経営が評価され「令和7年度秋田市農業大賞」を受賞。佐藤肇代表(69)は「繁忙期には作業に加わってもらうなど、地域の皆さんの協力があって成り立っている。高収益作物の栽培も視野に入れ、地元から販売先を徐々に増やしたい」と話す。
次号をお楽しみに!