2020年10月4週号
ブドウ本格出荷2年目 味で勝負 - 横山雄祐さん
にかほ市仁賀保地区でブドウを栽培する横山雄祐さん(36)。JA秋田しんせい管内(由利本荘市・にかほ市)で唯一市場へ出荷し、園地の一角で直売も行っている。にかほ市産のブドウを広めるため、良質生産を心掛ける。
横山さんがブドウ栽培を始めたのは5年ほど前。秋田県果樹試験場の参観デーで「シャインマスカット」を試食したところ、とてもおいしく、自分も作りたいと興味を持ったという。
本格的な収穫が始まったのは昨年で、主にシャインマスカットや「クイーンニーナ」を50㌃で栽培。また、試験的に「巨峰」など7品種を数本ずつ手掛けている。
今年は10月1日から収穫し、収量見込みは2㌧ほど。時期限定で直売するほか、同JAや本荘由利中央青果市場へ出荷している。
直売初日となった10月3日と4日は、県内各地から多くの利用客が来店。2日間で約300房を用意し、両日とも1時間足らずで完売となった。同市院内地区の男性は「東京に住む息子に昨年送って好評だったので、今年も食べさせたいと思い、宅配を頼みに来た。故郷の味を味わってほしい」と笑顔で話す。
同市は、県の中では積雪が少なく温暖な気候。主なブドウ産地は横手市だが、気候的にはにかほ市もブドウ栽培に適している。横山さんの樹体は植えてから4~5年と若く粒がまだ小さいが、糖度は高いという。
JA秋田しんせい西部営農センターの大平奈央営農指導員は、「管内はブドウ栽培面積が少なく、市場へ出荷しているのは横山さんだけ。市場での評価も、価格も悪くないので今後に期待できる」と説明する。
収穫は10月末まで続く予定で、直売所は土日のほか、火、木曜日に開店。いずれも正午からで、売り切れ次第終了となる。直売所での値段は1房千円からで、重さや粒のそろい方で価格を決める。また、粒をパック詰めしたものも230㌘入り400円で販売している。
横山さんは「9月の高温の影響で皮が若干硬いが、糖度のノリが良く、おいしいブドウになった。これからもより良い品質のものを栽培できるよう努力し、にかほ市産のブドウを知ってもらいたい」と意気込む。
次号をお楽しみに!