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2021年3月2週号 ふるさと納税返礼品②
加工品10種類以上 - なるせ加工研究会

 特産のトマトや伝統野菜「平良かぶ」など地元産の農林産物を原料に、加工品を開発・製造する東成瀬村岩井川の農事組合法人なるせ加工研究会(谷藤トモ子代表理事、71歳、構成員13人)。直売所などで販売するほか、近年はふるさと納税返礼品の出品に力を注ぐ。
 同研究会の数々の商品は、県の種苗交換会で農林水産大臣賞や県知事賞を受賞。特に代表商品「飲めるとまとのピューレ」には、村内外に根強いファンがいるという。これらの人気商品を全国に広めるため、2016年に返礼品として出品を始めた。
 きっかけは村の農林課からの紹介。谷藤代表は「既存の商品を返礼品に提供してもらえないかとの話だったので、大きな混乱は無かった」と振り返る。ほとんどの商品が、直売所などで売っているものと同じ規格とパッケージだが、飲めるとまとのピューレだけは返礼品専用にボトルとパッケージを準備した。

 同村の返礼品は、寄付額に応じて五十数種類を準備。そのうち10種類以上が同研究会の加工品だ。返礼品の窓口になっている一般社団法人東成瀬村観光物産協会の担当者は、「なるせ加工研究会の商品は、合成添加物や保存料を使っていないため、納税者にも安全・安心な商品と認識されている。研究会の返礼品目当ての納税者も多い」と話す。
 JAの女性部なるせ加工研究会を前身として、09年に農事組合法人化を果たした同研究会。4~11月末まで加工所に隣接する直売所を開くほか、年間を通して商品開発や他企業からの加工委託に取り組む。
 谷藤代表は「返礼品の売り上げは多くないが、県内外へのPR効果が大きい。以前ほどのスパンで新商品を開発できなくなっているが、今後も定期的に消費者に喜ばれる商品を開発したい」と話す。
次号をお楽しみに!