農業共済新聞

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2022年3月2週号 大切な財産を守る①
経営者もオペレーターも安心 - 佐藤ファーム
 「機械も人も大切に扱うことが農業を長くやる秘訣」と話すのは、佐藤ファーム代表の佐藤謙一さん(71)。大館市川口地区で水稲73㌶とエダマメ35㌶のほか、冬は雪の下で甘味が増すキャベツ1・5㌶の栽培に取り組んでいる。妻と息子夫婦を専従者に、多いときで35人ほどを雇う。

 例年、3月から水稲の耕起を始め、エダマメ5品種の播種から収穫、11月の水稲の収穫まで所有する農業機械が常に稼働。使っているほぼ全て34台が農機具共済に加入済みだ。移動するものを総合共済、固定式のものは火災共済と区別して加入している。
 佐藤代表はさまざまなリスクを思い浮かべ、機械や人に関してリスクを分散する方法を取る。「作業が続けば、人は疲れ、普段は見えるものが見えにくくなり、接触することがある」と説明。機械作業で万が一、事故や故障が発生した場合に農機具共済の加入は不可欠と考えた。「掛金はある程度必要だが、経営者もオペレーターも安心できる」と話す。

 オペレーターは年間10人ほど。同じ機械で常に作業してもらい、機械にはオペレーターの癖がつくため、責任を持って大切に使ってもらう。壊れた箇所があれば報告してもらい、農機具共済の対象になるか、NOSAI職員に確認する。修理・復旧することで必要な支出を最小限にし、経営の一助となっている。
 「小まめな整備、修理で機械の寿命は延びる」と佐藤代表。定期的に格納・整備しているコンバイン「クボタ・AR90」は、今でも秋に活躍する。農機具業者は「大規模農家で見掛けなくなったAR90だが、県内でこれだけ使われている機械は見ない」と話す。

 佐藤代表は従業員の都合に合わせて休暇取得に融通を利かせ、働きやすい環境を整えている。繁忙期以外に新年会や忘年会などの行事を開催。従業員に疲労回復やリフレッシュをしてもらう。結果的に作業効率や機械技術の向上に好影響をもたらしているという。

 今後について「これからも限りある資源や圃場を貸してくれる人、従業員、農業機械を大切にして、自分たちのためだけではなく、人や地域のために頑張っていきたい」と前を向く。
次号をお楽しみに!