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2022年3月2週号 大切な財産を守る②
全機械を加入限度の満額で契約 - (農)京政ファ ーム
 水稲12・9㌶と大豆18・3㌶を主幹作物として栽培する湯沢市稲川地区の農事組合法人京政ファーム(構成員22人)。経営の継続や自然災害に備えるため、農林水産省で勧める農業版BCP(事業継続計画)を参考にリスク管理の見直しを進めている。

 麻生陽介代表(30)は「想定を超える自然災害が発生しているほか、受託農地が広範囲になり、作業時間や公道を走る機会が増えている。特に被災後の事業継続を意識してチェックリストで対策を講じ始めた」と話す。

 農業機械の代替手段や復旧方法をどうするかを優先。保有する全ての農業機械を農機具共済の総合共済に加入させた。大型のトラクターから小型の管理機まで加入台数は17台に及ぶ。

 近年は情報通信技術(ICT)対応などで機能性が向上し、高額で補償が無ければ経営に影響を及ぼすことは必至と考えた。各機械の希望小売価格の同額程度まで補償を確保。合計約6500万円の補償で、農機具共済の掛金は高額となるが、事業継続を考慮すれば必要経費と捉えている。
 「支えがあるからこそ、安心して経営ができる。農機具の更新を進めているが、古い農機具も定期的なメンテナンスでまだまだ現役。大事に使っていきたい」と話す麻生代表。従来、メンテナンス管理に苦労していた。整備基準が共有されていないと整備に差が出てしまい、稼働率が低下してしまうため、オペレーター単位で担当する機械を大まかに決め、管理に気を配る。
 昨冬は湿り気のある重い雪が年末から年始にかけて降り続き、除排雪が追い付かず、農機具格納庫が倒壊。トラクター2台が被災した。麻生代表は「自然の力に驚くだけだった。幸い農機具共済で復旧はでき、リスク回避はできたのではないか」と振り返る。

 リスクを「見える化」して、人の動きや退避場所など対処方策を共有できるよう加速させる。「繁忙期はメンテナンスがおろそかになり、事故につながる危険性がある。メンテナンス進捗状況を“見える化”したことで改善できた。今後も続けたい」と話す麻生武志副代表(66)。農機具共済に加入してリスク軽減を図り、営農を続ける。
次号をお楽しみに!