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2022年5月2週号 水稲共済全相殺方式 白色申告者も②
書類での収量把握が魅力 - 小坂亮太さん
 水稲10㌶とソバ40㌃を手がける北秋田市鷹巣栄の小坂亮太さん(28)。水稲栽培を始めて今年で8年目となる。今年産は水稲共済の加入方式を一筆方式から白色申告全相殺方式へ移行した。
 小坂さんが作付けする圃場は数カ所に点在している。川の堤防沿いにある圃場では、川が氾濫し稲の生育に影響を及ぼしたことが数回あった。山側の圃場では、クマが出没して一部で被害を受けているという。川の氾濫で影響を受けた際は「川の流れに沿って植えるように」と祖父からアドバイスを受けた。ほかにも、知り合いの農家から栽培技術を学び、品質向上と収量確保のために最大限の対策を講じてきたが、「近年は異常気象が続き、今年は大丈夫という保証が無い」と懸念する。
 今まで加入していた一筆方式は、被害圃場一筆ごとに評価されるが、補償割合の上限が7割のため、経営の観点からはいまひとつと感じていた。NOSAIの広報紙で、2021年産を最後に一筆方式が廃止されることを知り、他方式への移行を検討し始めたという。
 移行に当たり、補償割合が9割と高い全相殺方式に注目。「青色申告書や乾燥調製施設の関係書類で収穫量を把握できることにもメリットを感じていたが、加入条件を満たしていなかったため加入を見送っていた」と振り返る。
 そんな中、22年産から白色申告者でも要件を満たせば全相殺方式へ加入できるようになり、「迷わず加入を決めた。万が一の備えとしては良い補償内容だと思う」と話す。
 さらに、全相殺方式の魅力として、悉しっ皆かい調査や抜取調査などの損害評価が無いことを挙げる。「申告書類で収量を判断するため分かりやすく、より現状に近い結果が出ると思った」と利点を強調する。
 夏場は地域の若手農業者と共に無人ヘリ防除に汗を流す小坂さん。「農業は今後も高齢化や後継者不足が進むと思うが、自分たち若い世代が協力して田畑を管理し、地元を守っていきたい」と力強く話す。
次号をお楽しみに!