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2022年6月3週号
価格下落時も頼れる制度 - 柴田ますみさん

 水稲16㌶とビニールハウス5棟でキュウリ、オクラなどの野菜を栽培する秋田市下北手地区の柴田ますみさん(48)。複数の農作物を補償できる点に魅力を感じ、収入保険制度がスタートした2019年から加入している。
 収入保険は初年の納入額は大きいが、保険料で50%、積立金で75%の国庫補助があるため、「魅力的だ」と柴田さん。「秋田市でも保険料の一部を補助してくれたら非常に助かる」と話す。
 21年産水稲の収量は20年とほとんど変わらなかったが、価格下落で収入が減少。さらに長雨の影響で野菜の収穫量が減り、大打撃を受けたという。「自然災害だけでなく価格変動も対象になる収入保険は頼りになる」と胸をなで下ろす。

 現在、同市仁井田地区では基盤整備が行われている。整備後の24年に柴田さんが中心となって法人を設立し、25年から米を中心に30㌶規模での作付けを計画している。また、基盤整備に伴い直売所を建設する予定のため、自家産の米と野菜を使った加工品を出荷するのが目標だという。
 「規模拡大で人手不足と農作物の価格変動が気にかかる。農家の高齢化が進み、後継者がいないのが現状」と柴田さん。想像を超える異常気象が毎年発生するなど不安は多い。しかし「さまざまなリスクに対応してくれる収入保険に加入しているため、安心して農業に取り組める」と話す。
 多品目栽培への挑戦やブランド化できる農産物の導入を検討中だという。「資材高騰や人員確保など課題が山積みだが、おいしい農産物を作りたいという気持ちを忘れずに、これからも農業に励みたい」と張り切る。
次号をお楽しみに!