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2022年11月2週号
金賞の大吟醸原酒 - 合名会社鈴木酒造店

 「秀よし」の銘柄で知られる合名会社鈴木酒造店(鈴木直樹代表社員、61歳)。大仙市長野で1689(元禄2)年から続く老舗の酒蔵だ。19代目松右衛門を襲名した鈴木代表をはじめ、社員18人と蔵人8人で製造・販売を行っている。
 酒名は秋田佐竹藩の品評会で「秀でて良し」と藩主から称賛を受け、拝命。1848(嘉永元)年には、藩の御用酒に指定された歴史を持つ。原料には契約栽培を結ぶ県産米などを使用。奥羽山脈の伏流水で仕込む。鈴木代表は「米と水だけを使い、伝統的な製法で仕上げている。地元で愛される酒を造り、地域の発展に貢献することが目標」と話す。
 大吟醸原酒「十九代目松右衛門」は全国新酒鑑評会で今年金賞を受賞した。「郷土の食文化に合い、料理を引き立てて楽しんでもらえるような酒を造っている」と鈴木代表。「『和醸良酒』という言葉に秘められている酒蔵の思いが届き、受賞につながった」と笑顔を見せる。
 さらに、海外のコンクールでは純米吟醸酒「松声」と純米大吟醸「一穂積」が金賞に輝くなど、国内外で高い評価を得ている。定番商品に加え、発泡清酒「ラシャンテ」を製造。おしゃれで飲みやすく、女性の人気が高いという。
 同社では酒蔵など建物7棟が国の登録有形文化財に指定されている。内蔵には文庫蔵が併設。秋田佐竹藩の宝物や美術品が収められているという。
 酒蔵は一年中見学が可能。現在はコロナ禍のため、人数制限を設け、試飲を行っていない。「収束後は国内外の多くのお客さまに来てもらいたい。試飲も再開させ、にぎわいのある酒蔵見学を楽しんでほしい」と鈴木代表。「今後は清酒製造業を基本に、酒蔵観光にも力を入れたい。将来的にはミュージアムを建設し、美術品を公開して楽しんでもらいたい」と意欲を示す。
次号をお楽しみに!